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2017年5月21日放映、NHKスペシャル「発達障害」

2017/06/19 重7

先日5月21日放映、NHKスペシャル「発達障害」を見ました。
世界的なIT企業マイクロソフト社では、発達障害者の「非常に細かい違いに
よく気が付く」点に注目し、2年間で、29人採用したとのことです。
また、米国には、発達障害者に特化した就労支援企業もあり、今までに世界中の
IT企業などに1000人のあっせんをしてきたそうです。
その会社のCEOは、「経済がグローバル化する中、何か革新的なものを生み
出さなければ企業は競争に勝てません。そのためには『他人と違うこと』は
とても重要です。」と仰っていました。
日本でも、得意な経理業務で、非常に細かいことによく気が付くと評価して
いる発達障害の方を雇用する会社が紹介されていました。
しかし、その会社でも発達障害の方の仕事の幅を広げようとして、ミスが増え、
その方がパニックを起こしてしまった経験があり、なるべく得意分野に集中
できる配慮が必要だとわかったとのことでした。
発達障害者は身体障害者と異なり、見た目は健常者と変わらないため、普通の
社員と同じような就労環境では、うまく仕事ができず、叱責、罵倒されやすく、
深刻な二次障害(うつ病など)を発症してしまう方が多いといいます。


後縦靭帯骨化症(難病):障害厚生年金3級(遡及)が決定(岐阜、名古屋周辺域の実績)

2017/05/27 重9

後縦靭帯骨化症(難病)で障害厚生年金3級(遡及)が支給決定した岐阜、
名古屋周辺域の方の実績です。

その方(男性)は、重量機器の配達、修理の仕事をしていらっしゃいました。
頭痛、頭がふらふらする症状が現われ、次第に車の運転や歩行も困難になって
きました。病院で後縦靭帯骨化症と診断されました。
後縦靱帯骨化症とは、背骨の中の後縦靭帯の一部が骨化した結果、脊柱管が狭くなり、
神経根が押されて感覚障害や運動障害等の神経症状を引き起こす病気であり、
指定難病の一つです。
手術後数か月休職し、会社に復帰されました。
車の運転や力仕事はできず、復帰当初こそ事務作業のみという会社側の配慮があり
ましたが、徐々に以前の仕事を指示されるようになり、身体的負担が大きくなり、
手足にしびれが出て、結局退職となりました。

その方の奥様より電話をいただき、ご夫婦とご自宅近くの喫茶店でヒアリングを
行いました。
ホームページのブログをご覧になって、是非相談したいと考え、お電話されたとの
ことでした。
病歴の情報提供も主に奥様がメール、電話、喫茶店での度々のヒアリングで
タイムリーに対応していただき、順調に進みました。
医師に、障害認定日頃と請求日頃の2部診断書を作成していただきました。
診断書は実態に合わない点が数点あり、修正依頼をし、ほぼ依頼通り修正して
いただけました。

先日、障害厚生年金3級(遡及)の支給決定があり、非常に喜んでいただけました。
特に約2年分の遡及は、今まで収入が無く家計が苦しかった分の補填になるとお喜び
でした。
支給決定の連絡を受ける際、トラブルがありました。
郵便のトラブルかと思いますが、何と大事な年金証書がご自宅に届きませんでした。
やむをえず、年金事務所で年金証書の再交付手続きを行いました。
驚いたことに、再交付された年金証書には、「次回診断書提出年月」の記載が
ありませんでした。(年金事務所の相談員の方の説明では、再交付の年金証書は
そういうものだそうです。)
障害年金受給者は、いつまで障害年金をもらえるのかが最大の関心事です。
自宅に届くべき年金証書が届かず、再交付手続きといった面倒な手続きをして入手
した年金証書に、いつまで年金をもらえるかといった一番知りたい情報の記載が無い
ことに、その方も私もショックを受けました。
厚生労働大臣名で記された年金証書と比較すると、やや重みに欠けますが、
年金事務所の相談員の方に「次回診断書提出年月」を手書きしていただき、
その方に提供させていただきました。
ところで、新規裁定請求についての相談と共に、「次回診断書提出年月」を迎える方
からも多く相談を受けます。
「今度の診断書提出で障害年金が支給停止になったら、生活が成り立たない。
もうすぐ障害状態確認届が自宅に届くので、是非相談にのってください。」と
よく依頼を受けます。
障害年金の新規裁定請求する方の相談よりも、むしろ更新を迎える方の相談の方が
生活費に充てていた収入が急に途絶える恐怖感から、切実度が高く感じます。
今回の方も、早々と次回更新時も宜しくお願いします、と依頼を受けました。
障害を持つ方は完全に治癒すれば喜ばしいことですが、一生障害とつきあって
いかなければならない方が多いです。
障害年金を受給されている方は、その後障害の程度があまり変わらないのであれば、
(原則)更新手続きで支給継続されるべきだと思います。
更新時、診断書の実態と異なる記載や行政に伝えるべきことを伝えていないなどで、
支給停止になるようなことはあってはなりません。
一度裁定請求のお手伝いをさせていただいた方に対しては、一生サポートしていく
気持ちが必要だと感じています。


糖尿病・糖尿病網膜症:障害厚生年金3級(事後重症)が決定(岐阜、名古屋周辺域の実績)

2017/04/28 重3

糖尿病・糖尿病網膜症で障害厚生年金3級が支給決定した岐阜、名古屋周辺域の
方の実績です。

その方(男性)は、大学卒業後就職し、健康診断で糖尿の反応があり、病院に
行きましたが、自覚症状は全くなく、通院を自己中断しました。
10年以上経過し、疲れやすい、喉が渇くなどの症状が出始めたため、病院に
行き、糖尿病と診断され、服薬治療が始まりました。
数年後インスリン治療も始まりました。
糖尿病網膜症の症状も出て、左右の目の出血でレーザー治療などを繰り返しました。

その方より電話をいただき、喫茶店でヒアリングを行いました。
右目は出血で、殆ど視力が無く、遠近感がわからず、業務上遠近感が必要なお仕事で
苦労されていました。
糖尿病と糖尿病網膜症の通院履歴が多く、複雑なため、詳細を把握するのに時間が
かかりました。
初診は25年以上前で、カルテは既に残っておらず、初診証明はとれませんでした。
最初の病院と2回目の病院の間は10年以上開いており、自覚症状もなく、
普通に会社で勤務できていたため、「社会的治癒」を利用しようと考えました。
通院していなかった10年間の会社の元同僚2名に、第三者からの
申立書を書いていただき、10年間元気に会社の仕事を普通にこなしていたこと
の証明をしていただきました。

先日、本人から障害厚生年金3級(事後重症)の支給決定を受け取ったと連絡が
あり、非常に喜んでいただけました。
障害年金請求後、日本年金機構より照会があり、医師に追加の検査数値を提出して
もらうように指示がありました。
その対応などで、結果が出るのに6か月もかかりました。
糖尿病は、平成28年6月1日より、障害認定基準が改正となりました。
改正前の認定基準では、HbA1cおよび空腹時血糖値により認定が行われて
いましたが、改正後は「治療を行ってもなお、血糖コントロールが困難な症状の方」
とされました。
すべて記載すると長くなるため、省略しますが、内因性のインスリン分泌が
枯渇している、等(他もあり)といった厳しい条件が加わりました。
すると、その方は新認定基準にあてはまらないため、糖尿病単独では不支給と
されます。
しかし、糖尿病網膜症については、「眼の障害」の認定要領により認定すると
いうのは、改正によっても変更は無く、その方は眼の障害の認定基準で障害厚生
年金3級が認定されました。
そのような改正は事前に把握していましたが、日本年金機構からの照会で追加の
検査数値を提出させられるなどがあり、結果が出るまで不安がありました。
今回支給決定の連絡を受けほっとしました。
しかし、平成28年6月1日からの障害認定基準改正は、糖尿病疾患をお持ちの
方への影響は非常に大きいです。
平成28年5月31日までに、旧基準で障害年金3級を受給していた方が、更新時
何気なく診断書を提出し、支給停止になることが増えると思われます。
今回の方のように、合併症(糖尿病性腎症、糖尿病網膜症など)の有無の確認など
が必要になります。


双極性障害:障害厚生年金2級(認定日請求)が決定(岐阜、名古屋周辺域の実績)

2017/04/14 躁うつ病

双極性障害で障害厚生年金2級が支給決定した岐阜、名古屋周辺域の方の実績です。
その方(男性)は、高校生の頃から過眠症に悩まされていました。
バイクを運転中にも居眠りして、事故を起こしたこともありました。
大学卒業後、IT関係の会社に就職し、エンジニアとして勤務していました。
しかし、仕事中眠気を感じる間もなく、気づいたら寝ていることが頻発し、
睡眠障害専門の病院を受診しました。
さらに、眠気が改善しないと共に、考えがまとまらなくなり、精神科も受診
し、双極性障害と診断されました。
両症状共に、改善せぬまま、休職、その後退職となりました。

その方より電話で相談があり、喫茶店でヒアリングを行いました。
その方は,動ける時期と動けない時期が交互に現われる症状でした。
動ける時期は、お会いしてもごく普通の人当たりのよい好青年のような印象
でしたが、動けない時期は朝起きられず、メールもなかなか返信がなく、
障害年金の請求準備作業も一時停滞し、かなり時間を要しました。

先日、本人から障害厚生年金2級(認定日請求)の支給決定があったと連絡が
あり、喜んでいただけました。
停滞があっても、あせらず、その方のペースに合わせて進めたのがよかったか
と思います。
時間がかかりようやく障害年金請求手続きをしたものの、日本年金機構より
審査遅延連絡が入り、結果通知まで通常より時間がかかりました。
日本年金機構からの結果通知がなかなか届かずやきもきしている時に、その方
から私に電話連絡がありました。
ようやく結果通知が届いたかと思いきや、障害年金請求を希望する友人を紹介
したいとの連絡でした。何と2名もの紹介でした。
喫茶店で紹介され、「この方は信頼できる社労士だから、任せて大丈夫だよ」
と友人2人にお話しされました。
自身の障害年金の結果が出る前の不安な気持ちで一杯な中、そのような言葉で
2名もの友人を紹介していただいたことに対して、私は非常にうれしく思い、
一刻も早くその方に支給決定があるのを祈っていました。
今回、支給決定通知があり、現在無職のその方自身が障害年金を受給できる
ことになった喜びと、友人を紹介いただいた恩に報いることができた気がした
ことの二重の喜びを感じることができました。

 


うつ病:障害厚生年金3級(認定日請求)が決定(全国対応の実績)

2017/03/27 うつ病

うつ病で障害厚生年金3級が支給決定した全国対応(遠方)の方の実績です。

その方(男性)は、電話営業主体の保険代理店にお勤めでした。
1日中電話営業していましたが、社名を名乗った瞬間に切られる、
「どこからこの番号を探したんだ!」と怒鳴られることは日常茶飯事でした。
目標契約数に達しないことが続き、他の社員の前で上司から厳しく叱責される
ことが増えました。
徐々に電話をするのが怖くなり、頭痛、嘔吐が始まり、会社も休みがちとなり、
退職となりました。
プレッシャーが少ないと思われる会社に転職しましたが、以前のプレッシャー、
恐怖感がよみがえり、頭痛、嘔吐が再発し、欠勤が多くなり、心療内科受診と
なりました。
医師と相談し、治療に専念するため、会社を退職しました。
数か月治療を受け、リハビリのつもりでアルバイトを始めましたが、頭痛、意欲の
低下で続けられませんでした。

その方は、ご自分で請求しようと、既に医師に診断書を書いてもらっていました。
しかし、病歴就労状況等申立書を途中まで書いたところで、頓挫し、障害年金専門の
社会保険労務士に頼んだ方がいいと知り合いから聞き、私に相談がありました。
病状をヒアリングし、既にできあがっている診断書を拝見すると、実態との乖離が
ありました。
医師には、どのようなことがどのように乖離があるのかしっかりご説明した手紙を
書き、実態にあった診断書に修正していただきました。
また、自力で途中まで書かれた病歴就労状況等申立書を見ても、表面的なことしか
書かれておらず、症状、障害の状態があまり伝わってこない文章でした。
突っ込んでヒアリングすると、会社を退職したときの辛さや治療が進み、
就労しようと挑戦したがうまくいかなかった苦しみが、よく理解できました。
それらの辛さ、苦しみが行政に余すことなく伝わるように、具体的に細かく記載
しました。

先日、本人から障害厚生年金3級(認定日請求)の支給決定があったと連絡があり、
非常に喜んでいただけました。
いろいろとできることはすべて行い、3級が支給される可能性は上げられたと
思いますが、それでもまだ、支給/不支給のボーダーライン上にあるというのが
正直な感触でした。
昨年、厚生労働省において、「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定
ガイドライン」が策定され、9月1日施行されました。
その中で、診断書記載項目のうち、「日常生活能力の程度」の評価及び
「日常生活能力の判定」の評価の平均を組み合わせたものが、どの障害等級に相当
するかの目安が示されました。
その目安で見ると、当初の診断書では、「3級又は3級非該当」のレンジの中でも、
限りなく「3級非該当」のレンジに近い診断となっていました。
ヒアリングした日常生活能力を細かく医師に伝え、実態との乖離点について2点
修正をお願いしました。
すると、2点共に修正していただけ、「3級又は3級非該当」のレンジの中で、
真ん中あたりに移動しました。
また、病歴就労状況等申立書には、仕事のプレッシャー、パワハラで病んでいった
経緯、泣く泣く会社を辞めた経緯、治療が進み、就労しようと挑戦したがうまく
いかなかった経緯を細かく記載しました。
一般に、精神障害の場合、就労していたら(障害年金が)通りにくい、就労して
いなければ(障害年金が)通りやすい、と単純に言われることがあります。
しかし、同じ「就労していない」状況でも、いろいろな状況が考えられます。
就労しようと努力したがうまくいかなかった事実を具体的に詳しく書いたことで、
行政には、本当に就労できない状況がきちんと伝わり、診断書記載項目の修正と
合わせ、3級認定につながったように思います。

 


知的障害(中度精神遅滞):障害基礎年金2級(事後重症請求)が決定(岐阜、名古屋周辺域の実績)

2017/03/01 重8

岐阜、名古屋周辺域にお住いの方の障害基礎年金2級(中度精神遅滞 事後重症
請求)が支給決定した実績です。
その方(男性)は、仮死状態で生まれ、知的障害がありました。
小中学校では特殊学級で、中学卒業後就職しましたが、解雇となり、40歳代と
なった現在は、短時間の軽作業で月3万円程度の報酬しかありませんでした。
高齢のご両親が老齢年金の一部より援助し、何とか最低限の生活をされていました。
読み書きが満足にできないため、原付免許もとれず、公共交通機関の利用もできず、
移動手段は専ら自転車でした。
食事、洗濯などの家事から郵便物・地域の回覧板などの読み書き、公共料金の契約
などすべてご両親が週2回訪問し、援助していました。
しかし、ご両親も高齢のため、経済的にも、家事等に関しても、今後長く援助する
ことは不可能であり、待ったなしの状況でした。

以前精神障害の方の障害年金請求代理のときに、一緒に仕事をさせていただいた
病院のケースワーカーさんから私に紹介がありました。
ご本人、ご両親、ケースワーカーさんと何度かヒアリングをさせていただきました。
出生から現在までの、養育歴、職歴、日常生活の状況など主にご両親に話を聞き、
小中学校時代の通知表もコピーさせていただき、20歳前障害として、障害年金の
請求をしました。
残念ながら、20歳の頃は受診歴が無く、遡及請求はできず、事後重症請求を行い
ました。

先日、ご両親から障害基礎年金2級(事後重症請求)の支給決定があったと連絡が
あり、非常に喜んでいただけました。
息子さんが40歳代になるまで、ご両親も障害年金制度のことをご存知ではなく、
病院のケースワーカーさんに聞いて、初めて知ったとのことでした。
また、ご両親は生活費の援助をするだけでなく、息子さんの国民年金保険料も
きちんと毎月納付していらっしゃいました。
息子さんが20歳の頃までに、ご両親に障害年金制度のことを教えてあげる人が
いなかったのであろうかと残念に思います。
20歳の頃、障害年金の請求をしていたら、現在までの20年以上障害基礎年金を
受給できた上に、国民年金保険料の納付免除(法定免除)も受けられたのです。
知的障害の場合、通常出生から一生続く障害であり、子供の時点で誰の目から見ても
成人後、稼得能力は低く、援助が必要になることは明らかです。
実は20年以上前、私の身近にも当時50歳代の知的障害を持つ方がいましたが、
私も社会保険労務士になる前で、障害年金制度のことを知らず、救ってあげることが
できませんでした。
私も社会保険労務士となり、障害年金の請求代理の仕事をさせていただいている以上、
そのような事態は無くしたいと思います。
今後、知的障害のお子さんをお持ちのご家族の方々、教育関係者に、様々な方法で
障害年金制度のことを周知していきたいと考えています。


先天性疾患(原発性股関節症):障害厚生年金3級(認定日請求)が決定(全国対応の実績)

2017/02/21 重6

先天性疾患(原発性股関節症)で障害厚生年金3級が支給決定した実績です。

その方(女性)は、幼少時から、ときどき股関節に軽い痛みを感じる
ことはありましたが、スポーツを楽しみ、社会人になってからも、屋外で
相当の距離を歩く仕事や屋外のレジャーを問題なくこなしてきました。
40歳代(厚生年金加入中)になり、急に股関節に痛みを感じ、しばらくして
歩くこともできなくなり、人工関節手術をされました。
手術後は立ち仕事に復帰されましたが、長時間の立ち仕事を続けると、腰が
痛くなり、きつい中我慢して仕事をしていらっしゃいました。

私に相談があり、遠方のため、メール、電話でヒアリングを進めました。
初診として病院にかかったのは比較的最近で、カルテも存在しており、全く問題
なくスムーズに進むと予想していました。
しかし、いざ初診証明をとってみると、そこには、「先天性の臼蓋形成不全」の
記載があり、単純に請求すれば不支給になる可能性があると思いました。
「先天性股関節脱臼」は、詳細は省略しますが、出生日が初診日とされる場合が
あります。
出生日が初診日の場合、「20歳前障害の障害基礎年金」となります。
障害基礎年金には、3級はありません。したがって、その方の人工関節の障害では
おそらく障害年金不支給となります。
少しでも不支給リスクは潰したいため、「社会的治癒」を利用しようと考えました。
障害年金制度には、「社会的治癒」という運用上の法理(救済措置)があります。
社会的治癒が認められるには、日常生活可能な状態となり、原則として治療を
していない期間が数年継続する必要があります。
幸いその方は、幼少時代から軽い痛みがあるものの、普通にスポーツや立ち仕事を
していらっしゃいました。
子供の頃のスポーツをしている写真、屋外でのレジャー、屋外で活発に歩き回る
仕事中の写真を多数探してもらい、社会的治癒の証拠写真として添付しました。

先日、障害厚生年金3級(認定日請求)の支給決定があったと連絡があり、
喜んでいただけました。
今回のように「先天性」疾患の場合でも、「社会的治癒」をうまく利用して、
障害厚生年金を獲得できる場合があります。
しかし、「先天性」疾患の方でも、傷病、社会的治癒期間の年数、状況等、
十人十色ですべて今回と全く同じ方法でうまくいくとは限りません。
それぞれのケースに応じて、対応を考える必要があります。
「先天性」疾患で初診日に関して悩んでいらっしゃる方は、ぜひ障害年金に詳しい
社会保険労務士にご相談いただきたいと思います。


高度房室ブロック:障害厚生年金3級(認定日請求)が決定(岐阜、名古屋周辺域の実績)

2017/01/25 心疾患

岐阜、名古屋周辺域にお住いの方の障害厚生年金3級が支給決定した実績です。

その方(男性)は、10年程前から健康診断で「要注意」評価はありましたが、特に
自覚症状は無く、病院にも行っていませんでした。
最近椅子から立ち上がると、立ちくらみ、動悸、息切れなどがあり病院に行きました。
徐々に症状が強くなり、胸痛、不整脈もあり、入院、ペースメーカー手術を受けました。
初診からペースメーカー手術まで10日ほどと、非常に早い治療でした。
手術から2週間ほどで会社に復帰もされました。

私に相談があり、ファミレスでヒアリングを行い、請求手続きを進めました。
初診も、治療もごく最近のことであり、特に大きな問題もなく、スムーズに書類を準備する
ことができました。

先日、障害厚生年金3級(認定日請求)の支給決定があったと連絡があり、喜んで
いただけました。
障害認定日は、「初診日から起算して1年6月経過日」または「それまでに治った日
(症状固定日)」のいずれか早い方の日です。
通常、障害認定日以後3か月以内の現症の診断書を医師に作成していただき、請求手続き
を行います。
しかし、障害認定日にはいくつかの特例があります。
心臓ペースメーカーの場合は、装着日が、初診日から1年6月経過前にあるときは、
その日が障害認定日となります。
今回は、初診日からペースメーカー手術までわずか10日ほどでしたので、その特例の
ために、早く障害年金請求手続きができました。
心臓ペースメーカーに関しては、最もよく知られた特例ですが、中にはややこしい
ものや、国民年金・厚生年金保険障害認定基準の改正が行われる場合もあります。
初診日、障害認定日に関して不安のある方は、ぜひ障害年金に詳しい社会保険労務士に
ご相談いただきたいと思います。


統合失調症:障害基礎年金2級(20歳前障害 遡及)が決定(岐阜、名古屋周辺域の実績)

2016/11/15 統合失調症

岐阜、名古屋周辺域にお住いの方の障害基礎年金2級(20歳前障害 遡及)
が支給決定した実績です。
その方(女性)は、高校生の頃、学校等で幻聴がありました。
当初本人は、幻聴という認識が無いため、ご家族に訴えることもありませんでした。
3つ目の病院でようやく統合失調症と診断されました。
専門学校をご家族の援助の末、何とか卒業、就職しましたが、統合失調症が悪化し、
会社や自宅で、いない人が見えるといった幻覚を訴え、入院となりました。
症状としては、記憶障害、不安感、幻覚、幻聴、妄想がありました。
結局、仕事に復帰はできず、会社は退職となりました。

私に相談があり、本人は入院中であるため、ご両親と喫茶店でヒアリングをさせて
いただきました。お母様が娘さんの病状日誌をつけておられたので、お借りし、
病歴の把握に大変役立ちました。但し、やはり本人の生の声も聴いた方がいいため、
後日ご本人にもヒアリングをさせていただきました。
一般の方が「統合失調症」という病名から受けるイメージとは全く異なり、まだ
世の中のさまざまな人間関係の中で生きていく術を知らない純真無垢な少女の
ようにお見受けしました。
幻覚、幻聴、妄想の詳細は本人しかわかりません。
何月何日にどんな幻覚を見たか細かく書かれたメモを見せていただき、具体的な
エピソードとして、病歴・就労状況等申立書に記載することができました。
お父様、お母様共非常に協力的で、私がお願いしたこと(本人との面談、通院日の
洗い出し、など)をタイムリーに対応していただき、スムーズに請求書提出迄
進めることができました。
お父様、お母様からは、「本当に社労士さんにお願いしてよかった、とても私たち
には病歴・就労状況等申立書のような緻密な文章を作れなかった」と感謝して
いただけました。

先日お父様より障害基礎年2級(20歳前障害 遡及請求)の支給決定があったと
連絡があり、大変喜んでいらっしゃいました。
第三者が見ると、かなり日常生活の困難さがあっても、それが長期にわたる疾患、
障害とのつきあいから、当たり前の日常生活の一部になってしまって(常態化して)
おり、本人やご家族も特別大変な事と思わなくなっていることがよくあります。
例えば、今回のケースでは、「家の中に知らない人がいた」という幻覚を訴える
会話は、第三者が聞くとぎょっとしますが、今では家庭内の誰も驚かない日常会話
になってしまっていました。
現在、家庭内では両親に見守られ、ある程度平穏な日常生活を送ることができても、
その方が将来社会の中で一人で生きていくには、多くの困難が待ち受けています。
一人で生きていくのにどんな困難があるか、といった視点でヒアリングを行い、
行政に伝える(又は医師が伝えるのをサポートする)のが我々社会保険労務士の
重要な役目だと思います。
なお、精神の診断書には、単身生活を想定して、日常生活能力の判定をするように
注意書きがあり、上記のような考え方が反映されたものとなっています。


障害年金不服申立て公開審理傍聴

先日、1年ぶりに障害年金不服申立て公開審理の傍聴をしてきました。
場所は厚生労働省社会保険審査室です。

年金の裁定や受給権の消滅など、厚生労働大臣の行った処分に不服があるときは、
不服申立てができます。
障害年金についての不服申立ては二審制となっており、一審目が審査請求、ニ審目が
再審査請求です。
最近障害年金に関わる法改正などがあり、審理の場での社会保険審査会、
保険者(行政)の発言から、その関係の考慮状況を確認する目的で、傍聴しました。

当日は件数は40件でした。
その中で、4件については、全国各地の社会保険労務士が代理人として意見陳述を
していました。
6件については、本人又はご家族が意見陳述をしていました。
他は請求者欠席のまま、審理されました。
傍聴者には、資料の配布、申立て内容の詳細説明はありません。
したがって、審査員、保険者、請求者(代理人)、参与から何も発言が無いと
傍聴者には、審理内容は全くわかりません。
しかし、何らかの発言があると、争点の一部を理解することができました。

当日は、下記のような説明、意見、質問/回答、陳述などがありました。

1.今年H28.6月1日受付以降の糖尿病新認定基準に関すること。
(保険者説明)
2.糖尿病に関して、HbA1cの測定方法の変更。
(日本独自のJDS値から国際値に相当するNGSP値への変更)
「診断書の値は一体どちらの値か?」請求者に質問。(審査会質問)
「JDS値。わざわざどちらの値か説明書きは不要と年金事務所で教示が
あった。」(請求人回答)
3.「糖尿病旧認定基準 血糖コントロール不良の基準:
『HbA1cが8.0%以上及び空腹時血糖値が140mg/dl以上』の
『及び』は、『かつ』か『又は』か?」(参与質問)
「かつ」が正しいが、「又は」と勘違いして不服申立したケースあり。
4.精神診断書
日常生活能力の判定と日常生活の程度の乖離。(複数あり。)
どちらを信用すべきかという問題。
5.解離性運動障害の診断書の選択の問題。(複数あり。)
「精神診断書を選択したが、肢体診断書が必要だったか?
年金事務所などの受付では、そのようなアドバイスをしないのか?」
(参与質問)
6.初診日の医証が得られず、薬局の領収証などで代用し、初診日が確認できない
とされたケースあり。
7.初診日が健康診断日のケース
「H27.10.1以降原則健診日は初診日として扱わないことになったが?」
(参与質問)
「条件が揃えば、本人申立で健診日を初診日に採用することはある。」
(保険者回答)
8.正社員で勤務実績あったため、精神3級が認められなかったケースあり。
実態:業務内容は本来より軽度の作業を与えられ、休みがち。(代理人陳述)
9.初診日の1年半後障害認定日において、急性期、原因不明で治療開始していない、
症状固定していない場合。
⇒「その後の追加診断書が必要、この後、追加診断書が提出されれば、審査
します。」(保険者医師)
10.9のケースで、追加診断書をつけて再裁定請求でも可。
「一事不再理の原則が適用され、却下されるのではないか?」
(請求代理人質問)
「追加診断書を付ければ、一事不再理の原則に該当しない。」(保険者回答)

下記、私の感想です。
ア.最近の法改正の関係(糖尿病認定基準、初診日の取り扱い)に関する説明、
意見はやはりありました。
イ.初診日の医証が無い場合は、念には念を入れ、なるべく多くの補助資料を準備
しないと、すんなりとはいかないと感じました。
ウ.精神疾患に関しては、やはり働いていると認められにくく、覆すには余程就労に
おける配慮がなされた実績の資料がないと難しいと感じました。
エ.障害認定日の診断書のみでは認定が困難な事例があり、参考になりました。
オ.裁定請求後提出の追加診断書の扱いは行政も統一的な対応がされていない部分
ですが、参考になりました。
カ.再裁定請求に関して、一事不再理の原則はありますが、やりようによっては
対応できることがわかり、参考になりました。

一般の方は、裁定請求時、上記1~10のような事項を考慮して、進めることは
困難だと思います。
その前に、殆どの方は上記のような事項があることすらご存知でないと思います。
障害年金の裁定請求等をしようと考えておられる方は是非、障害年金に詳しい
社会保険労務士にご相談していただきたいと思います。


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