2018年2月

糖尿病・糖尿病網膜症・糖尿病性腎症:1級レベルなのに病院で3級と言われる(岐阜・名古屋周辺域の実績)

糖尿病・糖尿病網膜症・糖尿病性腎症で障害厚生年金1級(事後重症)が支給決定した 岐阜・名古屋周辺域の方の実績です。

1.病歴

その方(男性)は元々優秀なエンジニアで、自ら会社を興し、かつマリンスポーツの趣味を持つ活動的な方でした。

30年程前、糖尿病となり、3年程前から、糖尿病網膜症、腎臓機能障害、膀胱瘻増設と、糖尿病からくる合併症が急速に現れました。

左目失明、右目も視力が落ちたため、目の前の書類の文字は読めず、体力も衰え、3分程度しか歩けない、といった状態になりました。

2.無料相談~受任~障害厚生年金1級決定まで 

以前障害年金の裁定請求代理をさせていただいた方の友人のお父様が無料相談をしたいとのことで、お会いさせていただきました。

視力の面からも、また体力面からも一人で外出することは不可能な状況であり、以前障害年金の裁定請求代理をさせていただいた方が付き添いで来られていました。

重い障害をお持ちであることは一目瞭然でした。

ファミレスで話を伺うと、既に診断書はとり、腎臓内科の医師に3級相当と言われたと伺いました。

一人で外出できない方が3級相当はないだろうと思い、呆れると共に、怒りを覚え、裁定請求のお手伝いをさせていただくことになりました。

進める中で多くの困難なことがありました。

1)その方は腎臓内科で診断書1枚を作成してもらったので、あとは病歴就労状況等申立書を社労士に書いてもらえばいいと簡単に考えていた。   また、初診証明の必要性・重要性を全くご存知でなかった。

2)腎臓内科の診断書が全く実態を表しておらず、全面的に書き直してもらう必要があった。

3)その方は糖尿病治療と腎臓治療を別病院で受診していたため、糖尿病の診断書を別の病院で書いてもらう必要があったが、糖尿病の医師は診断書作成に慣れておらず、懇切丁寧な説明が必要だった。

4)糖尿病の初診は30年程前であり、初診病院は現在廃院となっており、2番目に行った病院もカルテが残っておらず、初診証明に難儀が予想された。

5)糖尿病網膜症の診断書を書いてもらおうとした眼科では診断書作成を断られ、別の病院で改めて検査、作成してもらう必要があった。

6)眼科の初診病院はかなり昔のことで病院名は記憶していたものの、受診時期ははっきりとした記憶が無く、受診状況等証明書を作成していただく必要があった。

7)糖尿病からくる神経障害があり、膀胱瘻手術に至る泌尿器科の受診経緯も複雑であった。

ご本人は目が不自由なため、口頭でまだしなくてはならないことが多くあることを説明し、ご理解いただきつつ、本人と奥様と私の3人で何度も多くの病院をかけずり回りました。

困難なことをひとつずつ解決し、糖尿病・糖尿病網膜症・糖尿病性腎症で障害厚生年金の裁定請求を行い、その後障害厚生年金1級(事後重症)の受給が決定しました。

3.今回の裁定請求の困難さ 

今回は病歴・通院歴が長期かつ複雑であり、また、医師に診断書を実態に合わせて書き直してもらうのに苦労しました。

腎臓内科の医師は最初私と面談するのを渋っていたものの、後日何とか時間を捻出してもらい、最後は全面的な書き直しに応じてくれました。

最初にお会いした時、その方は請求の準備は殆どゴールに近いととらえていましたが、上記の多くの問題点が山積し、まだ実際はほぼスタート地点でした。

障害年金の請求手続きに対する認識は、一般の方と障害年金を専門とする社会保険労務士では、これ程の大きな開きがあります。

今回のように様々な傷病が重なっており、なおかつ初診病院が既に廃院になっているような場合は、一般の方が進めるのは難しいでしょう。

また、今回のように、1級相当であるにもかかわらず、医師からあなたは3級相当でしょう、などと言われることも珍しくありません。

まず障害年金を専門とする社会保険労務士に無料相談された方がいいと思います。

4.未支給年金手続き、遺族厚生年金手続き 

裁定請求手続きの3か月後、その方は多臓器不全のため、お亡くなりになったと奥様から連絡がありました。

その直後に、障害厚生年金1級受給決定の連絡がありました。

もう少しで、医師に3級程度と言われたにもかかわらず苦労の末1級をとれた喜びを本人、奥様と私の3人で、分かち合うことができたはずでしたが、それが叶わず残念でした。

3人が多くの病院をかけずり回る中、ファミレスで昼食をとった30分ほどの時間が思い起こされます。

その方は若い頃、エンジニアとして東京の会社で腕を磨いた後会社を立ち上げた事、ボートやスキューバダイビングなどの趣味を楽しんだ事、韓国ドラマ、韓国料理が大好きで何度も韓国旅行した事などをあたかもつい最近の出来事のように楽しそうにお話しされました。

今思うと、言葉にはされませんでしたが、自分は充分人生を満喫して思い残すことは何一つ無いと仰っていたのかもしれません。

障害厚生年金受給決定後、奥様に対する(障害年金)未支給年金手続き、遺族厚生年金手続きをさせていただきました。

奥様に無事定期的に遺族年金が入るようになり、その方は安堵されているに違いありません。

心からご冥福をお祈り致します。


心房細動:初診日の認識のずれ(全国対応の実績)

2018/02/14 心疾患

心房細動で障害厚生年金3級(事後重症)が支給決定した遠方の方の実績です。(全国対応の実績)

1.病歴

その方(女性)は会社で体力を使う仕事をされており、動悸、息切れが酷くなってきたため、内科クリニックを受診、心房細動と診断され、即座に大病院の循環器科を紹介されました。
体力が必要な仕事は続けられず、退職しました。
電気的除細動を行い、洞調律を回復、その後服薬で心臓の状態は落ち着いていましたが、3年程経過し、めまいが酷くなり、ペースメーカー埋め込みを行いました。
現在も、長い距離の歩行、階段では、息切れや胸が苦しい症状があります。

2.無料相談~受任~障害厚生年金3級受給決定まで

遠方よりお電話をいただき、心房細動、肝硬変、腎機能低下があり、いずれかが障害年金に該当するかどうか、無料相談がありました。
症状を障害認定基準と照らし合わせた結果、肝硬変、腎機能低下は非該当であることがわかり、心房細動に絞って、障害年金裁定請求のお手伝いをすることになりました。
初診日は、退職直前であることがわかり、ぎりぎり障害厚生年金3級を狙えることがわかりました。
心房細動で障害厚生年金裁定請求手続きを行い、約3か月後無事障害厚生年金3級(事後重症)の受給が決定しました。

3.初診日の前に病院を受診していた?

当初のヒアリングでは、初診日は現在も通院している病院、ということでその病院で診断書を作成していただきました。
診断書ができあがってみると、何と別の内科クリニックからの紹介であることがわかりました。
そのため、急ぎその内科クリニックで初診証明(受診状況等証明書)の作成を依頼しました。
その内科クリニックは1日のみの受診で、何の治療行為もなく、即座に病院を紹介されたそうです。
このような場合でも、初診日は内科クリニック受診日となります。
初診日とは、障害の原因となった傷病について、はじめて医師または歯科医師の診察を受けた日とされています。
一般の方は、初診日に関して誤解されていることがあり、何も治療行為がなかった場合は初診と考えないことがあります。
初診日がいつになるのかよくわからないという方は、まず社会保険労務士に無料相談されることをお勧めしたいと思います。


統合失調症:なぜ前回(1年前)は2級が認められなかったのか?(岐阜・名古屋周辺域の実績) 

2018/02/07 統合失調症

統合失調症で3級から2級への額改定の実績です。(岐阜・名古屋周辺域の実績)

1.病歴

その方(男性)は優秀なエンジニアでしたが、10年ほど前、能力以上の仕事を求められ、自信喪失し、憂鬱気分、気力の低下、不眠が出現しました。
衝動的に自殺を試み、救急搬送、入院を繰り返し、またクレジットカードの限度額を使い切っては借り換えを繰り返し、自己破産し、奥様から離婚を迫られました。
幻覚・妄想も現れ、鬱の時は自宅から出られない状態になります。
既に障害厚生年金3級を受給しており、半年ほど前にご自分で2級への額改定請求を試みましたが、額改定はならず、離婚も重なり絶望していました。

2.無料相談~受任~額改定決定まで

以前障害年金の裁定請求代理をさせていただいた友人の方からの紹介で、無料相談をしたいとのことでしたが、打ち合わせ当日になり、うつが酷く、ふとんから出られず、キャンセルとなりました。
後日改めてお会いし、ヒアリングさせていただき、症状を伺うと、仕事は全くできず、2級相当であるのは、明白でした。
なぜ3級から2級への額改定が認められなかったのか不思議であり、再度額改定請求のお手伝いをさせていただくことになりましたが、前回額改定請求をしたときから、1年経過しておらず、半年ほど待つことになりました。
(平成26年4月1日、「前回額改定請求をしたときから、1年を経過しないと額改定請求できない」という以前のルールが緩和されましたが、「精神疾患」はその待期期間緩和措置の対象外となっています。)
前回額改定請求をしたときから、1年経過を待ち、統合失調症の額改定請求手続きを行い、3か月後無事2級への額改定が決定しました。

3.前回(1年前)2級が認められなかった理由

その方は、過去通院していた病院の医師に治療の効果が上がるとは思えないとして入院を断られたり、薬が効かないことに苛立ち、医師が自分に不満をぶつけてくるなどの扱いを受け、再び医師に見放されるのを恐れ、重い症状は故意に隠していました。
そのため、実態とはかけ離れた3級相当の診断書ができあがり、それで前回(1年前)は2級が認められなかったようです。
今回は日常生活の不便を詳細にヒアリングし、書面にまとめ、医師に読んでいただき、診断書を作成していただきました。
診断書を拝見すると、提供した書面の内容が反映されており、安堵しました。
また、診断書備考欄には、「2級への額改定を望む」、といった単刀直入な表現までも記載され、医師に頭が下がる思いでした。

今迄多くの精神疾患(統合失調症、鬱病、双極性障害、発達障害等)の方の請求代理をしてきましたが、医師に充分症状を伝えきれていない方は非常に多いです。
医師に充分症状を伝えきれていないと感じている方は、まず社会保険労務士に無料相談されることをご検討いただきたいと思います。