2019年3月

混合性結合組織病(難病):障害厚生年金2級額改定決定(岐阜・名古屋周辺域の実績)

混合性結合組織病(難病)で障害厚生年金2級の額改定が決定した岐阜・名古屋周辺域の方の実績です。
1.病歴
その方(女性)は、二十数年前に、倦怠感、レイノー症状があり、病院で診てもらったところ、混合性結合組織病と診断されました。
混合性結合組織病とは、全身性エリテマトーデス様、強皮症様、多発性筋炎様の症状が混在し、1993年に厚生労働省が特定疾患(指定難病)に指定した疾患です。
全身痛、足裏のただれなどで、歩行困難となり、シルバーカーが無いと、歩けなくなりました。
最近では、座位を長時間維持できないため、横になって食事をしていました。
また、肩の骨頭壊死のため、着替えも一人でできず、朝パジャマ姿のまま隣の家に行き、手伝ってもらい、着替えをするようになりました。
2.無料相談~受任~障害厚生年金2級額改定決定まで
数年前障害年金の請求をし、障害厚生年金3級とされ、その後症状が悪化し、2級相当となったため、2年ほど前に、独力で額改定請求をしましたが、障害等級は変わらず、3級のままとされました。
今回、再び障害等級変わらずとなるのは避けたいため、障害年金に詳しい社会保険労務士に相談した方がいいと考え、私に無料相談がありました。
私の事務所まで、車で1時間以上ありましたが、家族総出で相談に来られました。
腰は折れ曲がり、腕は充分には動かせず、一見して、この方は2級に間違いないと思い、即座に契約させていただき、準備を始めました。
医師に診断書を作成していただき、できあがった診断書を拝見すると、実態に合わない箇所、記載もれの個所が数点ありました。
例えば、自力で靴下が履けないのに、履けるような判定になっており、修正していただくために、病院を訪問し、修正していただきました。
額改定請求をし、無事、3級→2級に額改定され、大変喜んでいただけました。
3.診断書(肢体)
肢体の診断書で最も重要な部分は、日常生活における動作の障害の程度の欄です。
この部分が実態に合っていなければ、絶対に修正していただかないといけません。
そうでないと、実態に合った等級判定は得られません。
今回は、「靴下を履く」という項目の評価が全くおかしかったので、本人と共に病院に行き、再度検査・ヒアリングしていただき、修正していただきました。
一般の方は、医師が作成した診断書をそのまま受け入れ、申請してしまう方が殆どではないでしょうか?
2年前、その方が独力で額改定に使用した診断書コピーを拝見しましたが、呆れました。
実態にあっていない箇所があるどころか、「タオルを絞る」という項目の評価が空欄になっていました。
一般の方は、医師が書いた診断書に対して、修正を要求することはなかなかしづらいと思います。
また、肢体障害の場合、「日常生活における動作の障害の程度」は一般の方でもわかりやすい項目ですが、その他の記載項目は一般の方は理解しにくいと思います。
我々障害年金に詳しい社会保険労務士は、必ず診断書全面を細かくチェックし、おかしい部分は直していただきます。
是非、我々障害年金に詳しい社会保険労務士にご相談いただきたいと思います。

広汎性発達障害:小学生初診だが、障害厚生年金3級支給決定(岐阜・名古屋周辺域の実績)

2019/03/02 発達障害

広汎性発達障害で障害厚生年金3級(事後重症)が支給決定した岐阜・名古屋周辺域の方の実績です。
1.病歴
その方(女性)は、小学生の頃、ランドセルの中の荷物の配置、自室の中のランドセルの位置、学校からの帰宅順路などもこだわりがあり、友達から一緒に帰る誘いにも応じなかったようです。
小学生のときに、両親が離婚し、精神が不安定になり、学校を休みがちになり、母親に心療内科に連れて行かれ、強迫性障害と診断されました。
中学生になると、ほぼ休みなく通学し、高校生では、3年間皆出席であり、また簿記、英語、情報処理、など7種の検定試験に合格し、高校から表彰されました。
高校卒業後、就職し、製品の検査を担当しましたが、「著しい汚れ」といった検査基準に対応できない、厳格に検査しようとするあまり、他人が検査すると不良品が1割でも、彼女が検査すると不良品が5割になってしまいました。
また、共同作業では、自分の作業が几帳面すぎて遅いため、作業場全体の作業効率に影響し、共同の作業者から、「死ね、うざい」などと言われ、涙が止まらなくなる、満腹で気持ちが悪いのに、食べ続ける、などの症状が出てきました。
精神科に行き、診断書を書いてもらい、会社に提出し、同日退職となりました。
その後、障害者枠で会社に入社しましたが、同様のことがあり、長続きしませんでした。
その後、就労継続支援(A型)に入社し、配慮が行き届いていた職場でしたが、やはり人間関係に疲れへとへとになって帰宅する毎日でした。
2.無料相談~受任~障害厚生年金3級支給(事後重症請求)決定まで
私のホームページをご覧いただき、問い合わせをいただきました。
無料相談をしたいとのことで、母親に連れられて、来所されました。
小学生の時に初診があることを聞き、私も少し動揺しましたが、社会的治癒を適用できると考え、高校卒業後最初に入社した会社で精神科にかかった日を初診として、広汎性発達障害で裁定請求を行いました。
無事障害厚生年金3級が支給決定し、お母さま、ご本人共に大変喜んでいただけました。
3.社会的治癒
中学、高校の6年間、元気に通学していたため、中学、高校6年間の出席日数が記載された通知票すべて、高校時代に合格した検定試験の合格証書7枚、などすべてコピーを添付しました。
そのため、社会的治癒が認められました。
小学生の時の心療内科受診が初診となると、20歳前障害となり、障害基礎年金となってしまいます。
すると、1級、2級しかなく、3級はありません。
今回は3級相当の障害でしたので、社会的治癒を立証しなければ不支給となるところでした。
社会的治癒に救われた典型事例となりました。
4.自分に最も適した仕事
この方は典型的な広汎性発達障害でした。
今迄どの会社も、定性的な検査基準、共同作業が多く、適応は難しかったと思います。
彼女が適応できなかったのは、明白です。
しかし、白黒はっきりしている作業、一人で仕事が完結する、歩合制の仕事であれば、十分彼女の良さが発揮できます。
高校時代の多くの検定試験合格は彼女の良さが発揮された結果です。
彼女はタイピングの速さは自信があるとのことでした。
データ入力の仕事は彼女にぴったりと感じ、彼女、母親にお勧めさせていただきました。
広汎性発達障害のいろいろな方の障害年金のお世話をさせていただきましたが、長所があるにもかかわらず、長所を生かせる職場につけず、転職を繰り返し、苦しんでいる方を多く見てきました。
そのような方々も、是非自分に最も適した仕事を見つけ、幸せをつかんでいただきたいと思います。