2018年12月

神経線維腫症(難病):受給困難事例(全国対応の実績)

 神経線維腫症(難病)で障害基礎年金2級(事後重症)が支給決定した遠方の方の実績です。
1.病歴
その方(女性)は生後すぐに、三叉神経の神経線維腫症Ⅰ型が認められ、腫瘍の摘出術が施行されました。
生下時既に片眼の視力はありませんでした。
神経線維腫症I型はカフェ・オ・レ斑、神経線維腫という皮膚の病変を特徴とし、骨,眼,神経系などに様々な病変を生じる遺伝性の病気です。
年々顔面の腫瘍が大きくなるため、毎年手術が必要でした。
専門学校に進み、その後障害者枠で一般企業に就職され、さまざまな困難を乗り越え、しっかりとお仕事をされていました。
2.無料相談~受任~障害基礎年金2級支給(事後重症)決定まで
無料相談をしたいとのことで、遠方の方からお電話いただき、話を伺いました。
視力の障害(片眼失明)があったものの、障害認定基準に照らしてみると、どうも障害認定は厳しいと言わざるをえませんでした。
先天性の障害のため20歳前障害となり、障害等級3級はないため2級に該当しないと、障害年金をもらうことはできません。
ご本人も厳しいことはご存知のようでしたが、最大限のことはやってみようと引き受けることにしました。
先天性の障害でしたが、20歳時点で眼科、その他の受診をしていなかったため、神経線維腫症で障害基礎年金の事後重症請求を行いました。
結果、障害基礎年金2級(事後重症)が決定し、大変喜ばれました。
3.外見の障害
その方は顔面に大きな腫瘍があり、変形のため普通のメガネ、マスクもできないほどです。
外見の障害で、日常生活を送る上でご苦労されてきたと思います。
労災保険には、顔面のやけどなどを想定した「外貌の醜状障害に関する障害等級認定基準」の取り決めがあります。
しかし、障害年金の障害認定基準には、外見に関する認定基準は一切ありません。
日常生活で苦労してきたことには違いないため、何とかこじつけられないかとも思いましたが、障害認定基準というのは障害毎に数値等で詳細に決められているため、基準に達しないものは国は一切認めてくれません。
障害認定基準に合致するものを探すしかありませんでした。
ヒアリングを進めると、本人自身は障害の認識は薄いものの、最近検査もしていない他の障害がいくつかあることがわかってきました。
具体的には、視力のある方の眼も視力、視野に障害があり、聴覚、そしゃく機能にも障害があり、他の障害も併合すると、2級に該当する可能性があると考え、それら複数の検査結果(診断書)に望みを託すことにしました。
眼科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科に計3枚の診断書を作成してもらい、障害年金請求を行った結果、各種障害の併合で、障害基礎年金2級が認められました。
私自身、正直厳しいと思っていただけに、驚きと共に、諦めずやれるだけのことはやって、よかったと安堵しました。
その方より丁寧なお礼状をいただき、感激しましたので、一部ご紹介させていただきます。
「・・・私のような症例では受給は難しく、ほかの申請者さんと比べ、大変なお骨折りだったかと思います。
私自身も、周りの方に『年金申請は時間と労力の無駄だからやめておいた方がいいよ』と言われたこともあり、『受給は厳しいんだろうな・・・』と諦め半分で先生に依頼しました。
先生は、この低い可能性にも真摯に対応していただき、本当にありがとうございました。
通院、入院もあり、収入も不安定で、今後の人生を考えた時、不安だったのが、気持ちが楽になった思いです。
・・・ありがとうございました。」