2017年9月

パーキンソン病(難病):障害厚生年金2級(事後重症)が決定(全国対応の裁定請求の実績)

パーキンソン病(難病)で障害厚生年金2級(事後重症)が支給決定した遠方の
方の実績です。(岐阜・名古屋・全国の裁定請求の実績)

その方(女性)は、身体の痛みが1年以上続いた後、同僚から行動が遅くなったと
言われ、自分でも、椅子に座るとき、立ち上がるとき、サッとできないことを
自覚するようになりました。
その後、手が少し震えるようになり、会社を退職し、複数の病院に行きましたが、
どこの病院でも異常なしと言われました。
その後、財布からお金もうまく取り出せなくなり、字もうまく書けないように
なってきました。
以前とは別の病院を受診すると、パーキンソン病と診断され治療が開始されました。
パーキンソン病とは、脳内で運動の指令をしているドパミン神経細胞が十分に
作られなくなり、運動の調節がうまくいかなくなり、身体の動きに障害が現われる
病気であり、難病に指定されています。
その後、ジスキネジア(不随意運動)が現われるようになりました。
身体がもじもじ動いたり、身体が左右に揺れたり、意思に反して後方に突進すると
いった症状でした。
治療開始後、4年程で薬の効果も短くなってきました。
転ぶことも増え、家に閉じこもるようになりました。

最初、遠方であったため、ご本人より電話でご相談がありました。
しっかりとお話しをされ、昔のこともよく覚えておられました。
病歴を尋ねると、エクセルできれいに病歴をまとめていただけました。
病院ごとの受診年月もしっかり記載されており、その時は全く疑う気持ちもあり
ませんでした。
症状を伺うと、2級は難しく、3級程度かと思われました。
しかし、手が少し震えるようになった後の初診日(A病院)は、会社を退職後と
いうことでした。
すると、国民年金加入時の初診日ということになり、3級程度では不支給に
なってしまいます。
会社退職前にどこか病院にかかっていないか伺うと、1年以上身体の痛みで病院に
かかっていたことがわかりました。
その身体の痛みでかかった病院で初診証明をとり、進めました。
その初診が認められ、障害厚生年金3級が決定すると考えていました。
現在通院中の病院には、症状を細かくお伝えし、診断書を作成していただき、
傷病名:パーキンソン病で障害年金裁定請求を行いました。

3か月ほどして、日本年金機構から返戻(問い合わせ)がありました。
身体の痛みはパーキンソン病と相当因果関係はないので、手が震えるように
なった後受診したA病院の受診状況等証明書を整備するようにということでした。
そのため、ご本人より「障害年金受給はもう無理でしょうか」という、弱気な
発言がありました。
とにかく、A病院に問い合わせ、受診状況等証明書をとったところ、ご本人の
記憶違いが判明しました。
その方は、会社を退職後、A病院を受診したと思い込んでいました。
しかし実は会社で退職手続き後A病院を受診したのは間違いないのですが、
その受診日はまだ有給休暇消化期間中で、退職前であることがわかりました。
「ご迷惑をおかけし、すみませんでした」と、ご本人からお詫びの言葉が
ありましたが、手が震えるようになった後の初診日が厚生年金加入期間である
ことがわかり、ほっとしました。
新たに作成していただいたA病院の受診状況等証明書には、原因は「不明」と
しながらも、本人が「ふらつき、手のふるえ」を訴えていたことが記載されて
おり、これで障害厚生年金3級は間違いないと確信しました。

先日ご本人から、傷病名:パーキンソン病で障害厚生年金2級の年金証書が
届いたと喜びのご連絡をいただきました。
初診日が思いがけず、厚生年金加入期間であり、さらにまた2級というのも
予想しなかったことであり、うれしい誤算でした。
一時は諦めかけましたが、期待以上の結果となり、本当によかったと思います。
やはり、最後まで希望を捨てずに頑張った甲斐がありました。


慢性腎不全:障害基礎年金2級が決定(全国対応の実績) ~初診証明

慢性腎不全で障害基礎年金2級(事後重症)が支給決定した遠方の
方の実績です。(岐阜・名古屋・全国の裁定請求の実績)

その方(女性)は、妊娠中の定期検査で、尿糖値が高かったため、糖尿病の治療を
するように指示され、同病院の内科で糖尿病の治療を続けました。
しばらく通院したものの自覚症状はなく、自己中断しました。
その後、糖尿病の治療を再開し、糖尿病性の白内障の治療も受けました。
初診から、20年程経過し、腎臓が急激に悪くなり、シャント手術を受け、
人工透析が始まりました。
現在、日常生活では、朝起きたときにふらふらし、立ち上がるのも辛いようです。

遠方の方のため、最初ご主人から電話で相談がありました。
本人もご主人もメールをされないため電話と郵便でヒアリングさせていただきました。
まず、病歴を把握していくのですが、20年以上前の初診の頃から10年間程の
ご本人の記憶があやふやで、苦労しました。
ご本人が自信を持って言えたのは、妊娠中の定期検査で、尿糖値が高かったこと
であり、それで治療がスタートしたことです。
尿糖値が高かったことが、母子手帳に記載されており、間違いはありません。
初診の病院には、既にカルテは無く、初診証明は得られませんでした。
しかし、初診の病院に、小中学生の時の同級生の職員がおり、初診当時待合室で
糖尿病治療について立ち話をしていたため、その職員に第三者証明をして
いただけました。
また、後に(2年程前に)受診した病院で、20年程前の初診の頃のことを
話しており、カルテに記載されていたため、受診状況等証明書に記載して
いただきました。
(後述する厚生労働省の通知によれば、「2年前受診」というのは、証明力が
充分ではないことは承知していましたが、他に決定的な医証は無く、やむを
得ませんでした。)
障害の程度としては、人工透析をされているため、全く問題はなく、問題がある
としたら、初診日であろうと予想していました。
初診日証明に関して、上記のように、
(1)尿糖値が記載された母子手帳のコピー
(2)初診日に関する第三者証明
(3)2年前に受診した病院の受診状況等証明書
の3点でいけると考え、傷病名:慢性腎不全の診断書を添付し、裁定請求手続きを
しました。
しかし、2か月後日本年金機構から返戻(問い合わせ)がありました。
申立てしていた初診日は認められず、その他の確認できる資料を準備しなさい、
という主旨でした。
具体的にどこがどう不備なのか詳細な説明がないため、あらゆる可能性を想定して
対応するしかありませんでした。
しかし明らかに疑いを持たれていた点が1点ありました。
初診日から糖尿病性白内障の手術までの期間が短かったのです。
糖尿病性白内障の手術の時期は、ご本人のヒアリングで聞いた時期をそのまま
病歴就労状況等申立書に記載していましたが、ご本人の記憶違いであったことが
わかりました。
手術した病院に確認すると、手術の時期はご本人の記憶より8年も後のことだと
いうことがわかりました。
その病院に受診状況等証明書を書いてもらい、病歴就労状況等申立書に誤りがあり、
訂正します、という旨の申立書を作成しました。
また、初診日に関する第三者証明をさらに2名の方に書いてもらいました。
さらに、2年前に受診した病院の受診状況等証明書に記載いただいた20年程前の
初診日を記述した部分のカルテ開示請求をしました。
すると、電話に出られたソーシャルワーカーさんは、私が窮し、あせる気持ちで
電話するのを予期し、電話するに至った経緯をすべてご存知であったかのように、
非常に協力的で、厚さ1センチ以上にもなるその方のカルテすべてを即座に
コピーしていただけました。
さらに、申し立てた初診日が仮に初診日として認められなかった場合でも、
初診日が一定の期間内にあることを証明し、その期間内であればすべて保険料納付
要件を満たすことを主張する申立書を作成しました。
結局、下記5点を準備しました。
(1)糖尿病性白内障の手術を行った病院の受診状況等証明書
(2)病歴就労状況等申立書の手術時期の記載誤りを訂正する旨の申立書
(3)初診日に関する第三者証明2名の追加
(4)カルテ開示コピー
(5)一定の期間内で保険料納付要件を満たす申立書
「厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令」が、平成27年10月1日
から施行されました。それに関連して厚生労働省より、平成27年9月28日付で、
この改正に係る事務の取扱いについての通知が出されました。
この通知では、今回のように初診日の医証がない場合、初診証明のためにどの
ような資料が必要になるのかを様々なケース毎に細かく定めています。
その通知に照らしてみても、今度こそこの5点の資料を加えれば問題ないはずと
考え、日本年金機構の返戻に対する回答として提出しました。

先日、ご主人から、傷病名:慢性腎不全として障害基礎年金2級の年金証書が
届いたと電話がありました。
丁度ご主人が会社を退職され、収入が無くなり、困り果てておられたところであり、
今迄のご主人の収入の完全な代替にはとてもならないものの、生活費の足しに
なると、お喜びでした。

今回、病歴就労状況等申立書に一部誤りがあり、また初診証明が不充分であった
ことがわかり、今後の反省点となりました。
しかし、日本年金機構には返戻していただいたおかげで、再度詳しく調査すること
により初診証明がより強固なものとなり、障害年金受給の結果に結び付きました。
日本年金機構の良心的な対応に感謝したいと思います。