2016年2月

うつ病で障害基礎年金2級(事後重症)が決定

2016/02/03 うつ病

その方(女性)は、子供の頃からADHD(注意欠陥多動性障害)の症状があり、
人とのコミュニケーション、家事は不得意でした。
結婚後、夫の両親等と同居しましたが、夫の家族の言うことを額面通り受け取ると、
後から責められ、料理、掃除も手順がわからず、しないでいると責められ、
どんどん自信をなくし、眩暈、吐き気、頭痛、耳鳴り、幻覚の症状が出て、離婚と
なりました。
その後、今のご主人と出会い、結婚されました。
今のご主人は、うつ病、ADHDに理解があり、奥様に無理をさせないように
配慮する、非常に優しい方でした。

私に依頼があり、初回ヒアリングをご夫婦とファミレスで行いました。
その後、メールで詳細を詰めていきましたが、奥様は長文のやりとりに疲れて
しまい、途中からはご主人とのメールのやりとりとなりました。
無事、医師への診断書作成依頼書を作成しました。
依頼書を基に、障害認定時と現在の診断書ができあがり、その後病歴・就労状況等
申立書を作成し、障害基礎年金の遡及請求をしました。

先日、障害基礎年金2級(事後重症)の支給決定の知らせを受け取りました。
その方は、障害認定日の頃も現在もかなり重い症状であり、充分2級遡及に
相当すると思われました。
しかし、障害認定日の頃は、当時診ていただいていた医師との意思疎通が困難で、
緊張して自分の症状、日常生活の不便さを伝えることができなかったそうです。
したがって、障害認定日の頃のカルテには軽い症状しか記載されておらず、
診断書も当時の実態より、かなり軽い症状となっていました。
当時の症状、日常生活の不便さを細かく記載した資料を準備し、少しでも実態に
合うような診断書を書いてもらえるように、依頼しましたが、当時の主治医は既に
その病院に勤務されておらず、当時診ていなかった現在の主治医に依頼の内容を
理解していただくことは、残念ながら難しかったようです。

そのため、遡及部分は認められませんでしたが、事後重症は認められ、非常に
喜んでいらっしゃいました。
その方は、普段は無表情ですが、好きな趣味をするときだけは、見違えるように、
生き生きとした表情になるそうです。
今回の年金受給決定で、心に余裕ができ、その生き生きとした表情が少しでも
増えることがあれば、これほどうれしいことはありません。