2021年1月

統合失調症:社会的治癒を利用した方の事例

2021/01/30 統合失調症

1.病歴

その方(男性)は30年程前、人間関係の悩み、及び肉親の不幸があり、うつ状態となり、心療内科を受診しました。 しかし受診は1回のみで、徐々に軽快し、仕事もしっかりできるようになりました。 さらにキャリアアップを目指して、福祉関係の資格をとり、従来以上の高度な仕事ができる部署に異動し、仕事を始めました。 しかし、新しい仕事は思った以上に難しく、現在の2年程前にうつ状態となり、心療内科を受診、会社も退職してしまいました。 再就職しましたが、仕事の過酷さから、うつ状態が重くなり、再び退職しました。 その後障害者手帳が交付され、就労支援施設に通所し始めますが、施設の職員が自分を尾行している、自室に盗撮カメラが仕掛けられている、といった妄想や幻聴の症状が現れるようになり、就労支援施設も退所しました。 そのため、うつ病から統合失調症と診断名が変更されました。

 

2.無料相談~裁定請求~障害厚生年金2級受給決定

遠方にお住いの方で、インターネットで問い合わせの相談がありました。 電話でお話を伺うと、理路整然とお話され、知能指数は高いように見受けられました。 この方の一体どこが統合失調症なのか?といった印象でした。 しかし、何度か電話でヒアリングを重ねると、妄想、幻聴があり、重い統合失調症であることがわかりました。 本人は、当初現実か妄想か判然としない出来事がいくつかあり、それが妄想であることがはっきりするまで時間がかかりました。 約30年前の初診では、国民年金初診となり、2年程前の初診では、厚生年金初診となります。 28年間はまじめにしっかりお仕事をされていたため、当時の同僚3名に社会的治癒の申立書を作成いただきました。 3名の申立書等で、28年間の社会的治癒を主張し、2年程前の厚生年金期間の初診を今回申請の初診として、傷病名:統合失調症で障害厚生年金の事後重症請求をし、後日無事に障害厚生年金2級が支給決定しました。 最初にお問合せいただいたときは、その方自身が障害年金をもらえるかどうかわからず、また私も最初の電話では、どこも病的な印象を受けませんでしたが、時間をかけて詳しく話を伺い、2級受給に結び付けられ、本当によかったと思います。


うつ病:初診受診病院のカルテがない方の事例

2021/01/16 うつ病

1.病歴

その方(女性)は18年程前、人間関係のトラブルから家に閉じこもるようになりました。 病院に通院しますが、吐き気、倦怠感、不安が続きました。 家の中でも誰かが一緒の部屋にいないといられなく、母親が常に部屋につきっきりだったそうです。 風呂も自分で入れず、母親に入れてもらっていました。 病院を転々とし、仕事ができるまでに一旦回復しましたが、1年程前から精神状態が再度悪化、勤務先を退職し、寝たきりにまで悪化しました。 寝ていても、穴に落ちそうになる不安感があるとのことでした。 外出は殆どできず、通院も殆ど家族に代理受診してもらい、薬を処方してもらっていました。

2.無料相談~裁定請求~障害基礎年金2級受給決定

遠方にお住いの方で、インターネットで問い合わせの相談がありました。 18年程前の初診病院はわかっているが、問い合わせたところ、カルテが既に無いとのことで、障害年金に詳しい社労士に依頼するしかないと考えたようでした。 電話を使って、詳しい話を聞きたいとメールしましたが、ほぼ寝たきりで電話もできないことが多いようでしたが、体調のいい時間に何とか会話しました。 18年程前の初診病院に問い合わせしましたが、カルテがなく、2番目の病院もカルテがなく、14年前に行った、3番目の病院に問い合わせしたところ、カルテが残っており、受診状況等証明書を作成していただきました。 そこには、18年程前の発病、初診病院のことが記載されておりましたが、年の情報のみで、月日までは記載はありませんでした。 18年程前の1年間は、保険料納付要件は、1年間1月から12月ののいずれでも保険料納付要件を満たすため、月日の特定は不要でした。 そのため、その3番目の病院の受診状況等証明書に記載された、初診病院の受診年のみで、初診証明は有効となりました。 現在通院中の医療機関に、現在の状態についての診断書作成を依頼し、傷病名:うつ病で、障害基礎年金の事後重症請求をしました。 その結果無事、障害基礎年金2級(事後重症)が支給決定しました。 外出が殆どできず、書類作成も難しかったため、社労士に動いてもらい、受給できてよかったと、お喜びいただけました。


うつ病:身体的症状も出ている方の事例

2021/01/02 うつ病

1.病歴
その方(女性)はご主人の経営する店でばりばり働き、近所ではしっかり者で通っていたそうです。
あるとき、店の外で倒れているところを発見されて、救急車で病院に運ばれました。
退院後も体調が悪く、アルコールを飲んでいないにもかかわらず、泥酔状態のように、1人で歩けない、記憶力が落ちるなどの症状がありました。
階段から転落して骨折、入院し、幻覚症状も出るようになりました。
退院後も自宅に引きこもり、トイレ、食事もご主人が1日中世話をしなければならなくなり、とうとうご主人の店もたたんでしまったとのことでした。
2.無料相談~裁定請求~障害基礎年金2級受給決定
岐阜・名古屋周辺域の方でしたが、ご主人が精神障害の障害年金申請についてインターネットで検索し、無料相談のお電話をいただきました。
奥様の介護であまり留守にできないということで、ご自宅の近くの喫茶店で打ち合わせし、ご主人から病歴などをうかがいました。
奥様は家の中でもふらつき、よく転倒し、けがをするので、眼が離せないということでした。
トイレ、食事の世話もご主人がしていたそうです。
初診日から1年半後(障害認定日)頃は既に重いうつ病であったため、認定日(遡及)請求可能でした。
現在通院中の医療機関に、障害認定日、及び現在の状態についての診断書作成を依頼し、傷病名:うつ病で、障害基礎年金の認定日(遡及)請求をしました。
その結果無事、障害基礎年金2級(遡及)が支給決定しました。
ご主人は奥様の世話のため、店もたたんでしまい、ご主人自身もうつ病になり、病院を受診し、医師に「死にたい」ともらしたそうです。
奥様の年金受給がご主人の精神的負担を和らげ、またお仕事を再開できるようになることを願っています。