うつ病:障害厚生年金3級(認定日請求)が決定(全国対応の実績)
うつ病で障害厚生年金3級が支給決定した全国対応(遠方)の方の実績です。
その方(男性)は、電話営業主体の保険代理店にお勤めでした。
1日中電話営業していましたが、社名を名乗った瞬間に切られる、
「どこからこの番号を探したんだ!」と怒鳴られることは日常茶飯事でした。
目標契約数に達しないことが続き、他の社員の前で上司から厳しく叱責される
ことが増えました。
徐々に電話をするのが怖くなり、頭痛、嘔吐が始まり、会社も休みがちとなり、
退職となりました。
プレッシャーが少ないと思われる会社に転職しましたが、以前のプレッシャー、
恐怖感がよみがえり、頭痛、嘔吐が再発し、欠勤が多くなり、心療内科受診と
なりました。
医師と相談し、治療に専念するため、会社を退職しました。
数か月治療を受け、リハビリのつもりでアルバイトを始めましたが、頭痛、意欲の
低下で続けられませんでした。
その方は、ご自分で請求しようと、既に医師に診断書を書いてもらっていました。
しかし、病歴就労状況等申立書を途中まで書いたところで、頓挫し、障害年金専門の
社会保険労務士に頼んだ方がいいと知り合いから聞き、私に相談がありました。
病状をヒアリングし、既にできあがっている診断書を拝見すると、実態との乖離が
ありました。
医師には、どのようなことがどのように乖離があるのかしっかりご説明した手紙を
書き、実態にあった診断書に修正していただきました。
また、自力で途中まで書かれた病歴就労状況等申立書を見ても、表面的なことしか
書かれておらず、症状、障害の状態があまり伝わってこない文章でした。
突っ込んでヒアリングすると、会社を退職したときの辛さや治療が進み、
就労しようと挑戦したがうまくいかなかった苦しみが、よく理解できました。
それらの辛さ、苦しみが行政に余すことなく伝わるように、具体的に細かく記載
しました。
先日、本人から障害厚生年金3級(認定日請求)の支給決定があったと連絡があり、
非常に喜んでいただけました。
いろいろとできることはすべて行い、3級が支給される可能性は上げられたと
思いますが、それでもまだ、支給/不支給のボーダーライン上にあるというのが
正直な感触でした。
昨年、厚生労働省において、「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定
ガイドライン」が策定され、9月1日施行されました。
その中で、診断書記載項目のうち、「日常生活能力の程度」の評価及び
「日常生活能力の判定」の評価の平均を組み合わせたものが、どの障害等級に相当
するかの目安が示されました。
その目安で見ると、当初の診断書では、「3級又は3級非該当」のレンジの中でも、
限りなく「3級非該当」のレンジに近い診断となっていました。
ヒアリングした日常生活能力を細かく医師に伝え、実態との乖離点について2点
修正をお願いしました。
すると、2点共に修正していただけ、「3級又は3級非該当」のレンジの中で、
真ん中あたりに移動しました。
また、病歴就労状況等申立書には、仕事のプレッシャー、パワハラで病んでいった
経緯、泣く泣く会社を辞めた経緯、治療が進み、就労しようと挑戦したがうまく
いかなかった経緯を細かく記載しました。
一般に、精神障害の場合、就労していたら(障害年金が)通りにくい、就労して
いなければ(障害年金が)通りやすい、と単純に言われることがあります。
しかし、同じ「就労していない」状況でも、いろいろな状況が考えられます。
就労しようと努力したがうまくいかなかった事実を具体的に詳しく書いたことで、
行政には、本当に就労できない状況がきちんと伝わり、診断書記載項目の修正と
合わせ、3級認定につながったように思います。