2018年7月

うつ病、軽度知的障害、発達障害:傷病名が神経症と記載されたケース(全国対応の実績)

2018/07/07 うつ病

 うつ病、軽度知的障害、発達障害で障害基礎年金2級(遡及請求)が支給決定した遠方の方の実績です。
1.病歴
その方(女性)は、小中学生時代いじめを受け、高校進学後も同様にいじめを受け、ストレスで壁を叩いたり、リストカットをするようになりました。
精神科を受診し、当初不安障害と診断され、高校も中退となりました。
その後難病も併発し、さらに精神が不安定になりました。
希死念慮があり、大量服薬、リストカットをすることも続きました。
難病の症状も重く、自暴自棄となり、一日中酒に溺れるようにもなりました。
出産後も精神状態が乱れ、家事、育児共に実母に依存するようになりました。
現在、子供のために長生きしたいと思う反面、死にたいと思う日もあるとのことです。
2.無料相談~受任~障害基礎年金2級支給(遡及)決定まで
無料相談をしたいとのことで、遠方よりお電話いただきました。
第一印象は、会話はしっかりしており、重い障害をお持ちであるようには感じませんでしたが、大量服薬、リストカットが多く、子供の頃からいじめられたため、対人恐怖があり、また発達障害の症状も顕著なため、裁定請求のお手伝いをすることにしました。
驚いたのは、医師から精神障害の病名を10個程告げられていたことです。
以前、ご自分で障害年金の請求手続きをしようとされたようですが、年金事務所やソーシャルワーカーに、症状が軽いから無理だろうと言われて挫折したことがあったそうです。
初診は高校時代のため、20歳当時(障害認定日)の診断書と現在の診断書を作成いただき、うつ病、軽度知的障害、発達障害で障害基礎年金の裁定請求を行い、後日障害基礎年金2級(遡及)が認められました。
子の加算もあり、障害基礎年金2級の5年分の年金(相当の金額)が最初に振り込まれ、非常に喜ばれました。
3.診断書の傷病名を神経症とされた。(神経症は障害年金の対象外)
できあがった20歳時点の診断書を拝見すると、「不安障害」とありました。
国民年金・厚生年金保険障害認定基準「精神の障害」によれば、「神経症にあっては、その症状が長時間継続し、一見重症なものであっても、原則として認定の対象とならない。」とされています。
しかしながら、うつ病の病態を示していたのであれば、認定の対象になります。
医師に確認し、当時うつ病の病態を示していたことが確認できたため、その旨追記していただきました。
また、現在の診断書も複数の傷病名の中に「不安障害」が含まれており、医師に確認し、うつ病の病態を示していることが確認できたため、日本年金機構に誤解されないよう、対応をお願いしました。
障害認定日、現在共に、最初医師が作成していただいたものをそのまま添付し、裁定請求していたならば、障害年金は不支給決定であったでしょう。
一般の方は、傷病名の違いで、支給/不支給が変わるなどと思いもよらないことでしょう。
その方は、以前、ご自分で障害年金の請求手続きをしようとして、挫折しましたが、その時無理してご自分で手続きしていたら、おそらく不支給であったと思います。
今回の重要なポイントは、精神障害の傷病名でしたが、他にも多くの注意点があります。
障害年金を多くこなしている社会保険労務士は、それらを経験、かつ他の社会保険労務士とも注意点を情報共有しています。
是非まず社会保険労務士に無料相談していただきたいと思います。