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2021年3月

統合失調症:裁定請求却下、その後審査請求(不服申立)で障害基礎年金2級決定した事例

2021/03/27 障害年金総合

1.病歴
その方(女性)は、出生時羊水を飲み込んで、呼吸をしていなかったそうです。
中学生、高校生の頃から幻聴が聞こえだし、耳鼻科に行ったものの異常なしという診断でした。
まさか当時は本人も母親も精神の病とは思いませんでした。
しかし大学入学後、幻聴、幻覚、妄想、うつ症状が酷くなり、20歳の時に病院に行き、重度の統合失調症と診断され、大学は中退しました。
統合失調症とは、こちら

母親と20年近く、医療機関を転々としましたが、一向に良くならず、入退院を繰り返しました。
私に相談を受けた当時も、幻聴の指示が聞こえ、自分の持ち物以外にも、親の大事な貴重品や、家具を勝手に持ち出し、リサイクルショップに売り払うようなことを繰り返していました。

2.無料相談までの経緯
一度母親が自力で資料を揃え、自宅近くの年金事務所で裁定請求をしたそうです。
初診証明は、20歳のときに、重度の統合失調症と診断された時点の病院で作成してもらったということでした。
年金事務所では問題なく受理されましたが、3ヶ月程後、却下通知が届いたそうです。
却下理由は、初診日の保険料納付要件を満たしていないという、単純な理由でした。
初診日の保険料納付要件は、こちら

受理した年金事務所で、それに気が付かなかったようです。
娘さんは重い統合失調症であり、ご両親は諦めきれず、私の事務所に相談することにしたそうです。

3.無料相談~裁定請求~裁定請求却下決定
遠方にお住いの方(母親)から、娘の障害年金の相談をしたいということで、お電話をいただきました。
その後遠方ながら、両親が私の事務所近くに来られ、相談を受けました。
まず、中学生、高校生の頃から幻聴が聞こえたということで、中高生のときの耳鼻科受診が初診と考えられるため、再度の裁定請求は可能と考えました。
中学生、高校生の頃にかかった耳鼻科に問い合わせしましたが、20年以上前のため、カルテ、その他の証拠は何も残っておらず、第三者証明に頼るしかありませんでした。
中学生、高校生の頃の友人、母親の知人等、当時の耳鼻科受診のことを知る方を、母親に片っ端からあたっていただき、第三者証明を書いていただきました。
初診日に関する第三者からの申立書は、こちら

統合失調症で現在受診中の病院に診断書を書いていただき、裁定請求をしました。
多くの申立書が揃い、おそらく大丈夫と考えていましたが、3ヶ月程後、却下決定が届きました。
初診日の確認ができないという理由でした。

4.不服申立(審査請求)~処分変更 障害基礎年金2級決定
納得できないため、母親と相談し、不服申立(審査請求)をすることにしました。
年金の決定に不服があるとき(審査請求)は、こちら

母親は初診後、10か所ほど医療機関を転々とし、その度に中高生の耳鼻科の話をしたと仰っていました。
カルテにそのことの記載があるかもしれません。
医療機関をあたっても、既にカルテが残っていないことが多く、難航しましたが、初診から7年程後入院した医療機関に奇跡的に1か所、中高生の頃の耳鼻科受診の記載がありました。
母親が話したことを当時の主治医がカルテに記載していたのです。
大量のカルテの中にたった1か所「耳鼻科」の文字を見つけたときは、天にも昇る気分でした。
そのカルテコピーを添付し、不服申立(審査請求)をし、5ヶ月後に、私に処分変更(不服申立が認められたということ)の通知がありました。
その後、障害基礎年金2級の年金証書が本人宅に届きました。
多くの医療機関とのやりとり、多くの方に第三者証明を書いてもらい、大変な思いで、ようやく勝ち取った障害年金にご両親は大変お喜びでした。

5.考察
統合失調症は、幻聴のため最初耳鼻科にかかるケースが多いですが、受診当時は幻聴の病識は無く、診断結果は「異常無」というものになりやすいです。
今回は耳鼻科受診時のカルテが残っておりませんでしたが、カルテが残っていたならば、耳鼻科からは「異常無」という診断名の初診証明(受診状況等証明書)が出てきますが、それが果たして後に判明する統合失調症の初診証明になるでしょうか?
耳鼻科から出される「異常無」という診断と「統合失調症」との因果関係を何らかの方法で立証する必要があります。
今回は偶然初診から7年後にかかった医療機関のカルテで立証できましたが、一般的な方法があるわけではなく、ケース毎に立証方法を模索するしかないと考えています。


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