7月 22nd, 2017

うつ病:障害厚生年金2級(事後重症)が決定(全国対応の実績)

2017/07/22 うつ病

うつ病で障害厚生年金2級(事後重症)が支給決定した遠方の方の実績です。
その方(男性)は、日本のハイテク産業を支える優秀なエンジニアでした。
長時間の残業続きで、精神的に疲労困憊の中、不慮の事故でお子さんを亡くし、
精神的なダメージで会社に行けなくなり、精神科を受診しました。
1年半休職後、職場に復帰しましたが、うつ症状が再発し、再び会社に行けなく
なりました。
考えがまとまらず、人と接触を避け、家に引きこもり、この先自分の調子も戻らず、
仕事ができないと、家族の生活が成り立たなくなると思い、死にたいと思うように
なりました。
また、椅子に座っているときの尻や太もものの痛み(ストレスによる身体化障害)が
ひどくなり、立って食事をするようにもなりました。

遠方のため、最初奥様よりお電話で相談がありました。
ご主人がうつ病になった背景には、テレビのニュースでしか見たことが無い驚くべき
事実があり、衝撃を受けました。
奥様の情報提供は豊富でスピーディーであったため、病歴、現在の日常生活能力に
ついて、順調にまとめることができました。
病歴、現在の日常生活能力をまとめ、医師宛の診断書作成依頼状を作成しました。
医師に作成していただいた診断書を拝見すると、胸を打つ感動的な診断書でした。
お子さんを亡くし、悲しみ、自責の念、怒り、恨み、辛さのために、精神に
ダメージを受け、仕事ができなくなり、身体化障害まで引き起こした経緯が克明に
記載され、誰が読んでも胸を打つものでした。
日常生活能力の判定・程度も実態にあった記載をしていただけました。
若干記載もれ、記載誤りがあり、修正を依頼するため、遠方の医師にお電話させて
いただきました。
医師は、その方をご心配され、少しでも障害年金獲得の役に立ちたいという気持ちが
満ち溢れた予想通りの熱い方でした。
修正を御願いすると、忙しいにも関わらず、半日(通常はありえないスピード)で
修正していただけました。

先日奥様より、障害厚生年金2級の支給決定の喜びのお電話をいただきました。
医師が作成する診断書は、患者の病状を100%ドライに伝えられていれば、
充分と思っていましたが、今回の医師が作成した診断書は、病状を100%正確に
伝えるに留まらず、病歴および現在の病状の記載欄は余白が無いほどびっしりと
埋まり、何としても患者様に障害年金を取らせてあげたいという気迫が、行政にも
伝わる診断書でした。

中には、社会保険労務士の作成する参考資料を全く見ていただけない医師もいる中、
日常生活能力の判定・程度の根拠となる、日常生活(食事、清潔、金銭管理、通院、
他人との意思伝達、安全保持、社会性)の困難さ39項目の提供、長時間残業に
よる疲弊、お子さんの行方不明、絶望感の中一縷の望みにかけ、わずかな情報を
手掛かりに幾日も捜し歩いたこと、精神の破綻、それに伴う身体化障害、休職、
会社からの退職勧奨示唆、自殺未遂、までの経緯を細かく情報提供させていただき、
お子さんを探す間毎夜うなされた悪夢の内容も含め、すべて診断書に反映して
いただけました。
一般に、過去のカルテから情報をひろい集めて1枚の診断書を作り上げるのは
大変な作業であり、また、どうしてもカルテからはひろえない情報もあります。
医師は患者の病気を治療するのが仕事であり、一人の患者の診断書作成にさける
時間はわずかです。
障害年金支給/不支給を分ける最も重要な書類は、医師が作成する診断書です。
診断書を埋める一文字、一文字は非常に重いです。
障害年金の請求代理を行う社会保険労務士は、医師が短時間でも適確な診断書が
書けるように、依頼者から細かくヒアリングし、必要な情報をもれなく、整理して
提供し、医師をサポートすることが必要だと改めて感じました。