知的障害、てんかん、器質性精神障害

器質性精神障害:診断書に傷病名を記載していただけず、非常に苦労した事例

1.病歴

その方(男性)は仕事中、頭が痛くなり、呂律も回らなくなり、病院に運ばれ、くも膜下出血と診断されました。 開頭による大手術があり、その後、てんかん発作も起こすようになりました。 当初、自分の名前も話せませんでしたが、リハビリで徐々に回復し、抗てんかん薬で、てんかん発作は抑えられるようになりました。 しかし、退院後、新しいことを覚えられない、二つの事を同時に理解できない、遂行機能障害(自分で計画を立てて、実行できない)、言葉が滑らかに出てこない、口頭ではある程度理解できても、文書を読めない、書けない、計算ができなくなった、などといった器質性精神障害があり、職場復帰(就労)はできませんでした。

 

2.無料相談~裁定請求~障害厚生年金2級受給決定

かなり遠方にお住いの方で、インターネットで奥様から問い合わせがありました。 最初にかかった医療機関での初診証明取得を終え、現在の医療機関の脳神経外科で精神の診断書を作成いただきました。 できあがった診断書を拝見し、たまげました。 器質性精神障害の診断書の作成をお願いしたのですが、何と傷病名欄に、「器質性精神障害」の記載が無かったのです。 傷病名には、「くも膜下出血、てんかん」としか記載がありません。 「てんかん」は、発作が薬で抑えられていたので、障害年金の対象になりません。 「くも膜下出血」は、精神障害の傷病名ではありません。 この方の主な障害は、「器質性精神障害」であり、障害年金2級相当の障害であることは明らかです。 傷病名に、「器質性精神障害」が無ければ、障害年金は100%もらえません。 その他、日常生活能力の判定、程度欄等重要な部分も不備が多く、呆れかえり、診断書の修正依頼書を作成し、送付しました。 しかしながら、それに対し、「修正しません」という驚きの回答でした。 その脳神経外科では、「器質性精神障害」という診断をしていないということでした。 信じがたいことでしたが、その後お電話でしたが、必死にお願いをして、検討していただくことになり、傷病名に「器質性精神障害」を加えていただけました。 他の修正もすべてではありませんでしたが、ある程度していただけ、「傷病名:器質性精神障害」で、障害厚生年金の認定日請求を行い、無事障害厚生年金2級が認められました。 その方は働けなくなり、奥様も働いていないため、一家無収入で、路頭に迷うところでした。 かなり遠方の方で修正をお願いするときは電話ではありましたが、土下座する思いでした。 必死の訴えを何とか聞いていただき、胸をなでおろしました。


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