腎疾患・糖尿病・肝疾患

糖尿病・糖尿病網膜症・糖尿病性腎症:1級レベルなのに病院で3級と言われる(岐阜・名古屋周辺域の実績)

糖尿病・糖尿病網膜症・糖尿病性腎症で障害厚生年金1級(事後重症)が支給決定した 岐阜・名古屋周辺域の方の実績です。

1.病歴

その方(男性)は元々優秀なエンジニアで、自ら会社を興し、かつマリンスポーツの趣味を持つ活動的な方でした。

30年程前、糖尿病となり、3年程前から、糖尿病網膜症、腎臓機能障害、膀胱瘻増設と、糖尿病からくる合併症が急速に現れました。

左目失明、右目も視力が落ちたため、目の前の書類の文字は読めず、体力も衰え、3分程度しか歩けない、といった状態になりました。

2.無料相談~受任~障害厚生年金1級決定まで 

以前障害年金の裁定請求代理をさせていただいた方の友人のお父様が無料相談をしたいとのことで、お会いさせていただきました。

視力の面からも、また体力面からも一人で外出することは不可能な状況であり、以前障害年金の裁定請求代理をさせていただいた方が付き添いで来られていました。

重い障害をお持ちであることは一目瞭然でした。

ファミレスで話を伺うと、既に診断書はとり、腎臓内科の医師に3級相当と言われたと伺いました。

一人で外出できない方が3級相当はないだろうと思い、呆れると共に、怒りを覚え、裁定請求のお手伝いをさせていただくことになりました。

進める中で多くの困難なことがありました。

1)その方は腎臓内科で診断書1枚を作成してもらったので、あとは病歴就労状況等申立書を社労士に書いてもらえばいいと簡単に考えていた。   また、初診証明の必要性・重要性を全くご存知でなかった。

2)腎臓内科の診断書が全く実態を表しておらず、全面的に書き直してもらう必要があった。

3)その方は糖尿病治療と腎臓治療を別病院で受診していたため、糖尿病の診断書を別の病院で書いてもらう必要があったが、糖尿病の医師は診断書作成に慣れておらず、懇切丁寧な説明が必要だった。

4)糖尿病の初診は30年程前であり、初診病院は現在廃院となっており、2番目に行った病院もカルテが残っておらず、初診証明に難儀が予想された。

5)糖尿病網膜症の診断書を書いてもらおうとした眼科では診断書作成を断られ、別の病院で改めて検査、作成してもらう必要があった。

6)眼科の初診病院はかなり昔のことで病院名は記憶していたものの、受診時期ははっきりとした記憶が無く、受診状況等証明書を作成していただく必要があった。

7)糖尿病からくる神経障害があり、膀胱瘻手術に至る泌尿器科の受診経緯も複雑であった。

ご本人は目が不自由なため、口頭でまだしなくてはならないことが多くあることを説明し、ご理解いただきつつ、本人と奥様と私の3人で何度も多くの病院をかけずり回りました。

困難なことをひとつずつ解決し、糖尿病・糖尿病網膜症・糖尿病性腎症で障害厚生年金の裁定請求を行い、その後障害厚生年金1級(事後重症)の受給が決定しました。

3.今回の裁定請求の困難さ 

今回は病歴・通院歴が長期かつ複雑であり、また、医師に診断書を実態に合わせて書き直してもらうのに苦労しました。

腎臓内科の医師は最初私と面談するのを渋っていたものの、後日何とか時間を捻出してもらい、最後は全面的な書き直しに応じてくれました。

最初にお会いした時、その方は請求の準備は殆どゴールに近いととらえていましたが、上記の多くの問題点が山積し、まだ実際はほぼスタート地点でした。

障害年金の請求手続きに対する認識は、一般の方と障害年金を専門とする社会保険労務士では、これ程の大きな開きがあります。

今回のように様々な傷病が重なっており、なおかつ初診病院が既に廃院になっているような場合は、一般の方が進めるのは難しいでしょう。

また、今回のように、1級相当であるにもかかわらず、医師からあなたは3級相当でしょう、などと言われることも珍しくありません。

まず障害年金を専門とする社会保険労務士に無料相談された方がいいと思います。

4.未支給年金手続き、遺族厚生年金手続き 

裁定請求手続きの3か月後、その方は多臓器不全のため、お亡くなりになったと奥様から連絡がありました。

その直後に、障害厚生年金1級受給決定の連絡がありました。

もう少しで、医師に3級程度と言われたにもかかわらず苦労の末1級をとれた喜びを本人、奥様と私の3人で、分かち合うことができたはずでしたが、それが叶わず残念でした。

3人が多くの病院をかけずり回る中、ファミレスで昼食をとった30分ほどの時間が思い起こされます。

その方は若い頃、エンジニアとして東京の会社で腕を磨いた後会社を立ち上げた事、ボートやスキューバダイビングなどの趣味を楽しんだ事、韓国ドラマ、韓国料理が大好きで何度も韓国旅行した事などをあたかもつい最近の出来事のように楽しそうにお話しされました。

今思うと、言葉にはされませんでしたが、自分は充分人生を満喫して思い残すことは何一つ無いと仰っていたのかもしれません。

障害厚生年金受給決定後、奥様に対する(障害年金)未支給年金手続き、遺族厚生年金手続きをさせていただきました。

奥様に無事定期的に遺族年金が入るようになり、その方は安堵されているに違いありません。

心からご冥福をお祈り致します。


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