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岐阜・名古屋障害年金ジャパンのブログ

自閉症スペクトラム障害:雇用保険の基本手当をもらっていたら、障害年金はもらえないか? 

2019/07/07 障害年金総合

自閉症スペクトラム障害で障害厚生年金2級の額改定が決定した遠方の方(女性)の実績です。
1.病歴
その方(女性)は、さまざまな精神疾患で障害厚生年金3級を受給中でした。
雇用保険の基本手当を受給し、再就職をめざして職業訓練も受けていましたが、症状が悪化し、職業訓練も続けられなくなりました。
2.無料相談~受任~障害厚生年金2級額改定決定まで
障害厚生年金の2級への額改定をしたいと考え、他の社労士に相談したら「失業保険受けてるんでしょう」と拒否されたため、電話で私に無料相談がありました。
症状を伺うと、日常生活もかなり不安定であり、大量服薬、多くの他人とのトラブル、聴覚過敏など、とても就労には程遠い状態でしたので、2級は間違いないと考え、即座に契約させていただきました。
木の葉擦れの音で目が覚めるほど「音」に過敏、衝動買いが多く、多額の借金を抱え、飲食店等の客対応、学生の公共交通機関内のマナーの悪さに対して、飲食店等や学校に躊躇なくクレームを入れたり、電話でキレたりすることが多いとのことでした。
一方、ある店舗で、店員に対して難癖をつけている人(クレーマー)がおり、店員が困り果てているところを見て、クレーマーに対し、「あなたの言い分はおかしい」と抗議し、店員を助けるというような正義感もありました。
医療機関で検査を受けたところ、やはり発達障害(自閉症スペクトラム障害)の診断がありました。
本人も医師も失業保険(正確には雇用保険)をもらっているから、障害年金2級への額改定は無理という思い込みがありました。
希死念慮が現れ、就労はやはり無理なため、本人と医師が相談の上、雇用保険の基本手当を傷病手当に変更し、医師も額改定請求用の診断書を書いてくれることになりました。
大量服薬、他人とのトラブル、聴覚過敏に関するエピソードは非常に多く、それらを書面にまとめ、額改定請求書に添付し、手続きしました。
その結果、無事、3級→2級に額改定されました。
職業訓練も続けられず就労は無理だったため、私から「就労できないなら、2級は可能」とアドバイスされたことで、医師に診断書作成の依頼をする気になったとのことで、大変感謝されました。
3.雇用保険との関連(精神障害)
本人も医師も雇用保険の基本手当をもらっているから、障害年金2級への額改定は無理と思い込んでいました。
しかし、日常生活を伺うと、家事、金銭管理等、身の回りのこともできず、対人関係はトラブル続きであり、とても就労どころではないことは明白でした。
したがって、雇用保険は、基本手当から傷病手当に変更となりました。
雇用保険の「基本手当」は、失業した時に求職活動を容易にすることを目的として支給されるものであり、「傷病手当」は、求職の申込みをした後において、疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合に、支給されるものです。
精神の障害に係る等級判定ガイドラインには、総合評価の際に考慮すべき要素の例として、就労状況に関して、次のような記載があります。
「労働に従事していることをもって、直ちに日常生活が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認したうえで日常生活能力を判断する。」
障害年金2級と雇用保険の基本手当を同時にもらうことは、精神障害の場合、一般的には難しいと言われています。
しかし、雇用保険に加入が必要な就労には、一般枠就労、障害者枠就労、就労継続支援A型、などいろいろあり、どのレベルの就労をめざしていても、障害年金2級は難しいと決めつけるのはあまりにも短絡的です。
今回の方は、就労は無理だったため、雇用保険を、基本手当から傷病手当に切り替えましたが、たとえ、就労を目指して基本手当を受給していても、日常生活能力から可能な就労(種類、内容)を見極め、その就労が障害年金2級に矛盾しない程度のものであれば、それを詳細に活字にすることにより、障害年金2級獲得は可能と考えています。

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