10月 17th, 2017

てんかん:障害厚生年金3級(遡及)2級(事後)が決定(全国対応の実績)

てんかんで障害厚生年金3級(遡及)2級(事後)が支給決定した遠方の方の
実績です。(岐阜・名古屋・全国の裁定請求の実績)

その方(男性)は、25年程前、障害者施設に勤務していました。
障害者の方々をマイクロバスに乗せ運転中、意識喪失し、病院に救急搬送され、
てんかんと診断されました。
その後、てんかん治療を継続するものの、てんかん発作は続きました。
自動車の運転業務は免除、デスクワークが中心となりましたが、発作時以外は
ばりばり仕事をこなすことができました。
その後幾度か転職もありましたが、20年以上ほぼ無職の期間は無く、発作時
以外はしっかりとフルタイムの仕事をすることができました。
しかし、2年程前から、考えがまとまらない、人と会話がとりづらくなる、
朝起きれない、などの症状が現われました。
うつ病と診断され、うつ病の治療も開始されました。
仕事も困難となり、会社を退職し、現在まで無職です。
また、てんかん発作の頻度も多くなりました。

最初、遠方であったため、ご本人より電話で相談がありました。
しかし、病歴(てんかん発作の時期)の説明はあいまいな点が多く、全貌を
掴むのは困難でした。
確かに、初診が25年程前のことであり、その後のてんかん発作の時期、程度、
状況をすべて正確に思い出すのも大変かと思います。
奥様と時間をかけて、昔の記憶をひとつひとつたどり、じっくり思い出して
いただきました。
1か月程かかりましたが、約25年間の病歴が明らかとなりました。
2年程前までは、てんかん発作時以外は一般社員と同様にしっかりとフルタイムの
仕事をされていたため、当初は障害認定日(遡及)請求は難しいと考え、
事後重症一本の請求方針をたてていました。
しかし、よく話を聞くと、長年にわたり複数の勤務先のいずれも自動車運転の
業務は免除、デスクワークが多いなど配慮された勤務であったことがわかり、
障害認定日(初診日から1年半後)の請求も可能かもしれないと考えました。
初診から現在まで同じ病院に通院していたことが幸いし、25年程前のカルテも
残っていました。(しかし、当時の主治医はいらっしゃいませんでした。)
現在の主治医に依頼し、障害認定日時点の診断書も作成していただけることに
なりました。
現在の主治医は若い方で、障害年金の診断書作成経験が無く、作成方法を教えて
ほしいとお電話をいただき、細かく説明させていただきました。
病歴就労状況等申立書には、勤務先での配慮事項(車の運転業務免除、デスク
ワーク、等)を今迄勤務した複数社毎に細かく記載しました。
また、約25年間のてんかん発作すべての時期、程度、状況を詳細に記載しました。
診断書にも同様に、約25年間のてんかん発作すべての時期を書いていただきました。
障害認定日と現在の診断書がそろい、傷病名:てんかんで障害厚生年金裁定請求を
行いました。
裁定請求手続きを終えた報告をすると、その方は、遠方ながら私の事務所に御礼に
伺いたいとおっしゃいましたが、現在ご主人の収入は無く、家計が苦しい中、
交通費をかけて来ていただくのは申し訳ないとお断りさせていただきました。

裁定請求手続き後、結果通知がまだ来ないまだ来ないと、何度もお電話いただき
ました。
電話の度に、障害年金が入らないと生活していけないと切実に訴えられました。
裁定請求から3か月ほどで、ようやくご本人から、傷病名:てんかんで障害厚生
年金3級の年金証書(遡及)が届いたと喜びのご連絡をいただきました。
過去5年分の障害年金の一時金がもらえるということで非常に喜んでいただけました。
しかし、一方事後(裁定請求後)障害厚生年金2級をもらえると期待していましたが、
その結果通知は無く、不満も訴えていらっしゃいました。
その2か月後、障害厚生年金2級(事後)の通知があったと連絡がありました。
現在の症状が的確に表現された診断書を書いていただいており、2級はいけるはず
とその方に申し上げていたので、ようやく肩の荷がおりた気がしました。

当初は、フルタイム勤務が途切れることも無かったため、障害認定日時点の認定は
無理かもしれないと思っていましたが、長年の勤務先での配慮事項をしっかり
病歴就労状況等申立書に記載した甲斐がありました。
また、最初、ご本人に約25年分のてんかん発作すべての時期、程度、状況を
思い出してくださいと大変なお願いをし、1か月程かけて可能な限り正確な時期、
程度、状況を提供していただいた甲斐がありました。
てんかんの場合、発作の回数、程度は、障害等級を決める大きな決め手となります。
てんかん発作の時期、程度、状況をすべて洗い出し記載することで、行政に対して
より説得力が増し、遡及3級事後2級という狙い通りの結果が得られたと考えて
います。