9月 16th, 2016

糖尿病:障害厚生年金3級(事後重症)が決定(岐阜、名古屋周辺域の実績)

2016/09/16 重4

岐阜、名古屋周辺域にお住いの方の障害厚生年金3級(事後重症)が支給決定した
実績です。
その方(男性)は、営業職で接待も多く、ゴルフもよくラウンドされ、活発にお仕事、
趣味をされていました。
30歳の頃、会社の健康診断で糖尿病に関する異常値が出て、徐々に喉が渇く、疲れ
やすい、等の自覚症状が現われ、数年後病院にかかり、糖尿病と診断されました。
徐々に悪化し、40歳の頃インスリン治療を開始しました。
その後も、50歳代にわたり、悪化し、インスリン注射回数も増えるように
なりました。
現在も仕事中、低血糖になり仕事に集中できなくなったり、低血糖対策でブドウ糖を
吸収し高血糖になりすぎ、眠くなったりして、しばしば仕事に影響が出ていました。

私に相談があり、喫茶店でヒアリングしました。
初診日が25年程前とのことで、本人もしっかり記憶されておらず、不安がよぎり
ました。
初診日が証明できないと、現在どれほど重篤な症状があっても、原則障害年金は支給
されないからです。
(後述しますが、昨年法律の改正があり、若干緩和されました。)
かろうじて初診にかかった病院は覚えていらっしゃったため、その病院に問い合わせ
しましたが、カルテなどすべて廃棄されており、証明の手がかりになりそうなものは
何一つ残っていませんでした。
また、その病院にかかる前に、会社の健康診断で糖尿病に関する異常値が出ましたが、
健康診断の医療機関に問い合わせしても、やはりすべて廃棄されており、同様でした。
その後、2番目に行った病院にも問い合わせをしましたが、やはり同様でした。
3番目に行った病院に問い合わせしたところ、20年程前の当時のカルテが残って
いるとの回答を得ました。
藁にも縋る気持ちで、カルテ開示請求をしたところ、カルテに1番目にかかった時期、
病院名の記載がありました。
その方が3番目の病院にかかったときの問診票も残っていました。
そのカルテ、問診票のコピーで初診証明は、大丈夫かと思いましたが、念のため
さらに健康診断の結果を記憶していた、当時の会社の同僚が2名いらっしゃって、
第三者証明をお願いしました。
当時、仲間内で健康診断の結果を見せあいし、その方の糖尿の数値が話題に上って
いたそうです。
初診証明としてはそれらの資料を添付し、障害年金請求処理をしました。

先日その方より障害厚生年金3級(事後重症)の支給決定があったと連絡があり、
大変喜んでいらっしゃいました。
糖尿病は長期にわたり徐々に悪化するのが一般的であり、20年~30年前の初診
病院のカルテが廃棄されている、病院自体が廃院となっている、などで、初診証明が
難しいことが多いです。
「厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令」が、平成27年10月1日から
施行されました。それに関連して厚生労働省より、平成27年9月28日付で、この
改正に係る事務の取扱いについての通知が出されました。
この通知では、今回のような場合に初診証明のためにどのような資料が必要になる
のかを様々なケース毎に細かく定めています。
一般の方は、その法改正の内容を正確に把握し、自分のケースにあてはめて検討し、
間違いなく対応することは、困難だと思います。
今回のように、初診時のカルテが存在しないようなケースでは、やはり我々
障害年金に詳しい社会保険労務士にご相談いただくのがベストの選択だと思います。