発達障害

広汎性発達障害:小学生初診だが、障害厚生年金3級支給決定(岐阜・名古屋周辺域の実績)

2019/03/02 発達障害

広汎性発達障害で障害厚生年金3級(事後重症)が支給決定した岐阜・名古屋周辺域の方の実績です。
1.病歴
その方(女性)は、小学生の頃、ランドセルの中の荷物の配置、自室の中のランドセルの位置、学校からの帰宅順路などもこだわりがあり、友達から一緒に帰る誘いにも応じなかったようです。
小学生のときに、両親が離婚し、精神が不安定になり、学校を休みがちになり、母親に心療内科に連れて行かれ、強迫性障害と診断されました。
中学生になると、ほぼ休みなく通学し、高校生では、3年間皆出席であり、また簿記、英語、情報処理、など7種の検定試験に合格し、高校から表彰されました。
高校卒業後、就職し、製品の検査を担当しましたが、「著しい汚れ」といった検査基準に対応できない、厳格に検査しようとするあまり、他人が検査すると不良品が1割でも、彼女が検査すると不良品が5割になってしまいました。
また、共同作業では、自分の作業が几帳面すぎて遅いため、作業場全体の作業効率に影響し、共同の作業者から、「死ね、うざい」などと言われ、涙が止まらなくなる、満腹で気持ちが悪いのに、食べ続ける、などの症状が出てきました。
精神科に行き、診断書を書いてもらい、会社に提出し、同日退職となりました。
その後、障害者枠で会社に入社しましたが、同様のことがあり、長続きしませんでした。
その後、就労継続支援(A型)に入社し、配慮が行き届いていた職場でしたが、やはり人間関係に疲れへとへとになって帰宅する毎日でした。
2.無料相談~受任~障害厚生年金3級支給(事後重症請求)決定まで
私のホームページをご覧いただき、問い合わせをいただきました。
無料相談をしたいとのことで、母親に連れられて、来所されました。
小学生の時に初診があることを聞き、私も少し動揺しましたが、社会的治癒を適用できると考え、高校卒業後最初に入社した会社で精神科にかかった日を初診として、広汎性発達障害で裁定請求を行いました。
無事障害厚生年金3級が支給決定し、お母さま、ご本人共に大変喜んでいただけました。
3.社会的治癒
中学、高校の6年間、元気に通学していたため、中学、高校6年間の出席日数が記載された通知票すべて、高校時代に合格した検定試験の合格証書7枚、などすべてコピーを添付しました。
そのため、社会的治癒が認められました。
小学生の時の心療内科受診が初診となると、20歳前障害となり、障害基礎年金となってしまいます。
すると、1級、2級しかなく、3級はありません。
今回は3級相当の障害でしたので、社会的治癒を立証しなければ不支給となるところでした。
社会的治癒に救われた典型事例となりました。
4.自分に最も適した仕事
この方は典型的な広汎性発達障害でした。
今迄どの会社も、定性的な検査基準、共同作業が多く、適応は難しかったと思います。
彼女が適応できなかったのは、明白です。
しかし、白黒はっきりしている作業、一人で仕事が完結する、歩合制の仕事であれば、十分彼女の良さが発揮できます。
高校時代の多くの検定試験合格は彼女の良さが発揮された結果です。
彼女はタイピングの速さは自信があるとのことでした。
データ入力の仕事は彼女にぴったりと感じ、彼女、母親にお勧めさせていただきました。
広汎性発達障害のいろいろな方の障害年金のお世話をさせていただきましたが、長所があるにもかかわらず、長所を生かせる職場につけず、転職を繰り返し、苦しんでいる方を多く見てきました。
そのような方々も、是非自分に最も適した仕事を見つけ、幸せをつかんでいただきたいと思います。

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