肢体障害

脳出血:障害厚生年金1級が決定(岐阜・名古屋周辺域の実績)

2018/01/28 肢体障害

脳出血で障害厚生年金1級(認定日請求)が支給決定した岐阜・名古屋周辺域の
方の実績です。(岐阜・名古屋・全国の裁定請求の実績)

その方(女性)は、長年大会社の営業でご活躍していました。
ある夜、ご自宅で倒れ、病院に救急搬送され、脳出血と診断されました。
2日ほどして、意識が戻ったときには、左半身が動かず、あまり話すことも
できませんでした。
その後リハビリで話すことはできるようになりましたが、左半身は殆ど動かず、
車椅子生活となりました。
現在、入浴、洗濯、食事、などはヘルパーさんに介助してもらっています。

最初、お子様の障害年金請求手続きの代理のため、お子様がデイケアで通所する
病院に何度か訪問していました。
お子様を紹介をいただいたケースワーカーさんと共に、同病院で脳出血後治療
中のお母さま本人も同席し、お子さんの障害年金請求手続きで話を伺いました。
(その後、お子様は無事障害基礎年金1級を受給されました。)
その中で、お母さま本人も障害年金請求手続き代理をしていただきたいとの
ことで、お手伝いすることになりました。
依頼時は、脳出血で倒れ救急搬送された日から5か月経過していたため、少し
お待ちいただき、初診日から6か月経過後、医師に診断書作成依頼をしました。

通常の障害は、初診日から1年半経過日が障害認定日ですが、平成24年9月に、
障害認定日に関して次のような改正がありました。
「脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6月経過した日以後
に医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるとき。」
と記載が追加になりました。
脳血管障害は、虚血性疾患(脳梗塞等)と出血性疾患(脳出血、くも膜下出血等)
に大別されます。
注意点としては、脳血管障害の場合、初診日から6月経過した日が必ず障害認定日
と認められるわけではない点です。
その方の初診日から6月経過日は、機能回復のリハビリは終了していたため、
診断書に、「症状固定」と明記いただきました。
日常生活における動作の障害の程度も細かくヒアリングし、医師に情報提供し、
ほぼその通りの診断書を作成していただきました。
その後、脳出血で障害厚生年金の裁定請求手続きを行いました。

先日、障害厚生年金1級の年金証書が届いたと喜びのお電話をいただきました。
外出も厳しいため、ご自宅に伺いました。
「社労士さんにお願いして、よかった。」と何度もうれしい言葉をいただきました。
その理由について、説明がありましたが、詳細を聞かずとも即座に納得しました。
その方と同じように脳血管障害で車椅子生活となったお知り合いの方は自力で
障害年金を請求されたようですが、何と障害厚生年金3級だったそうです。
あってはならないことですが、肢体障害では充分起こりうることです。
私自身もそれに類することを何度も経験しました。
例えば、診断書の「日常生活における動作の障害の程度」の評価項目に、
「歩く(屋内)」、「歩く(屋外)」という項目があります。
ある方の診断書を医師に作成して頂くと、補助用具(装具、杖、等)を使わず、
全く歩けないにも関わらず、一人でうまく歩けるという評価になっていたことが
ありました。
医師は、補助用具(装具、杖、等)を使わずに評価すべきことを失念していました。
すかさず正当な評価方法と実態をお伝えし、修正していただき、事無きを得ました。
そのような診断書を見過ごし、裁定請求を行うと、その方のお知り合いのような
ことが起きてしまいます。
脳血管障害の厄介さは、これだけではありません。
一般的な障害の場合、症状が悪化した場合、額改定請求が可能です。
したがって、初回の請求時に不幸にも実態と異なる診断書で3級相当とされても、
その後実態に合った診断書で額改定請求をすることにより、2級又は1級と改定
される場合があります。
しかし、脳血管障害の場合、再発がない限り、通常悪化は認められず、額改定の
対象となりません。
実際は再発がなくても悪化することがあります。
そのような場合、加齢や廃用による悪化と判断され、額改定の対象とならないのが
実情です。
したがって、脳血管障害の初回の裁定請求はミスが許されません。
今となっては、社会保険労務士といえども、その方のお知り合いの方を救済する術
は無く、気の毒でなりません。

脳血管障害に関する以上の問題点(2点)は、障害年金を専門とする社会保険
労務士内では、共有する問題点ですが、一般の方はご存知でないと思います。
脳血管障害を負われた方は、是非最初に障害年金を専門とする社会保険労務士に
ご相談いただきたいと思います。


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